街の灯
無声映画は無理、と思っている人にこそ勧めたい一本です。字幕を読む量も少なく、90分足らずで終わります。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本・主演・音楽
- チャールズ・チャップリン
- 出演
- ヴァージニア・チェリル、ハリー・マイヤーズ
- 形式
- サイレント(音楽・効果音付き)
- 上映時間
- 87分
- 公開
- 1931年(アメリカ)
あらすじ(ネタバレなし)
街をさまよう浮浪者の男は、道端で花を売る盲目の少女と出会います。彼女は、車のドアの音から彼を裕福な紳士だと勘違いしました。男はその誤解を訂正しないまま、彼女に会いに通うようになります。
少女の目を治す手術代を工面するため、男は道路清掃やボクシングの試合に手を出します。さらに、酔ったときだけ彼を親友と呼ぶ大富豪との縁もできる。しかし、金を手にした代償に、男は罪をかぶることになります。
ここが見どころ
ボクシングの場面
レフェリーの背後に隠れながら逃げ回るだけの数分。身体だけで笑わせる技術の到達点で、これがほぼ一発撮りに近い形で撮られています。
トーキー時代のサイレント
公開は1931年。すでに音声付き映画が主流になっていた時期に、あえてサイレントで作られました。時代に逆らった判断が、かえって作品を古びさせていません。
最後のカット
詳しくは書きませんが、映画史でもっとも語られるラストのひとつです。台詞も音楽の盛り上がりもなく、表情だけで終わる。ここだけのために観る価値があります。
この映画について:最後の30秒のために、87分かける。
喜劇として非常によくできていますが、この映画の本体は「相手が抱いている自分の像を壊せない」という一点にあります。男は最後まで真実を言わない。言えば全部終わると分かっているからです。
笑いと切なさの配分が絶妙で、大笑いした直後に胸が痛くなる。この落差の作り方は、いまのコメディでもなかなか到達できていません。
サイレントなので、テンポや芝居の様式には慣れが要ります。ただ87分と短く、話も明快なので、古典の入り口として難易度はかなり低いほうです。
この作品の良さ
- 身体だけで笑わせる技術の高さ
- 笑いと切なさの配分
- 台詞なしで成立するラスト
当サイトの評価
最後の30秒のために、87分かける。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 5.0 |
| 映像美 | 4.7 |
| 音楽 | 4.8 |
| 演技 | 5.0 |
| 余韻 | 5.0 |
世間ではどう評価されているか
- IMDb
- 8.5 /10
- 公開
- 1931 トーキー普及後のサイレント
- 評価
- 最高位 オールタイムベストの常連
音声付き映画が主流になった後に、あえてサイレントで作られた作品です。チャップリン自身が監督・脚本・主演・音楽をすべて手がけています。
ラストシーンは映画史でもっとも有名な場面のひとつとして繰り返し語られ、オーソン・ウェルズをはじめ多くの映画人が生涯のベストに挙げてきました。
こんな人におすすめ
- 無声映画を一本だけ試したい人
- 短くて確実な古典を探している人
- 笑いと切なさが同居する話が好きな人
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