THE DRAGON TATTOO
ドラゴン・タトゥーの女
スウェーデン版が先にあり、そちらも評価が高い作品です。それでもこちらを推す理由を書きます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- デヴィッド・フィンチャー
- 原作
- スティーグ・ラーソン『ミレニアム』
- 出演
- ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、ステラン・スカルスガルド
- 音楽
- トレント・レズナー、アッティカス・ロス
- 公開
- 2011年
- 受賞
- 米アカデミー賞 編集賞
あらすじ(ネタバレなし)
雑誌『ミレニアム』の記者ミカエルは、名誉毀損裁判に敗れて信用を失っていました。そんな彼に、大財閥の元会長ヘンリック・ヴァンゲルから依頼が入ります。
40年前に姿を消した姪ハリエットの行方を調べてほしい、という内容でした。孤島に近い一族の敷地で、当時何が起きたのか。ミカエルは資料の山と向き合い始めます。
調査に加わるのが、天才的な調査能力を持つリスベット・サランデルです。社会に適応できず、後見人の管理下に置かれている彼女は、自分のやり方で情報を集めていきます。
ここが見どころ
ルーニー・マーラのリスベット
眉を剃り、体重を落とし、外見から作り込んでいます。愛想を一切排した造形で、それでいて内側にあるものが伝わる。アカデミー主演女優賞にノミネートされました。
調査の描写
写真を並べ、日付を照合し、古い記録を突き合わせる。地味な作業を延々と見せて、それを面白くしているのがフィンチャーの技術です。
音楽と画面
トレント・レズナーによる不穏な電子音と、青みがかった冷たい画面。オープニング映像も含め、作品の温度が最初に確定します。
この映画について:40年前の失踪事件を、記者と天才ハッカーが掘り返す。
フィンチャーは『ゾディアック』でも同じことをやっています。調査という行為そのものを娯楽にするという手法で、本作もその延長にあります。事件の解決より、資料と向き合う時間のほうが長い。
リスベットという人物の扱いには注意が必要です。彼女が受ける暴力の描写は執拗で、直視させられます。この描き方については公開時も議論がありました。原作の告発的な意図を汲んでいるとはいえ、観るのに覚悟が要ります。
スウェーデン版と比べると、こちらは映像の作り込みが徹底しています。一方で、原作の社会批評的な部分はやや後退している。どちらを取るかは好みだと思います。
158分と長く、事件が解決した後にも話が続きます。この構成を冗長と感じる人はいるはずですが、リスベットという人物を描くためには必要な尺でした。
この作品の良さ
- ルーニー・マーラによるリスベットの造形
- 地味な調査作業を面白く見せる技術
- 音楽と色設計による一貫した温度
- 事件解決後も続く、人物のための尺
当サイトの評価
40年前の失踪事件を、記者と天才ハッカーが掘り返す。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.1 |
| 映像美 | 4.6 |
| 音楽 | 4.7 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 4.1 |
世間ではどう評価されているか
- 米アカデミー賞
- 受賞 編集賞
- ノミネート
- 5 部門(主演女優賞ほか)
- 原作
- スティーグ・ラーソン 『ミレニアム』
第84回アカデミー賞で編集賞を受賞し、主演女優賞を含む5部門にノミネートされました。
原作はスティーグ・ラーソンの『ミレニアム』三部作の第1作。2009年にスウェーデンでも映画化されており、本作はそのハリウッド版にあたります。
こんな人におすすめ
- 『ゾディアック』『セブン』が好きな人
- 調査の過程を丁寧に描く作品が好きな人
- 暴力描写に耐性がある人(かなり強い場面があります)
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