HELP/復讐島
サム・ライミという名前を見て身構える人は多いと思いますが、これはホラーではありません。もっと意地の悪い作品です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- サム・ライミ
- 出演
- レイチェル・マクアダムス、ディラン・オブライエン
- 製作国
- アメリカ
- 配給
- 20世紀スタジオ
- 日本公開
- 2026年1月30日
- ジャンル
- サスペンス/ブラックコメディ
あらすじ(ネタバレなし)
会社員のリンダは、パワハラを繰り返す上司ブラッドリーの下で働いていました。理不尽な要求と人格否定が日常化した職場で、彼女は限界に近づいています。
そんな二人が出張へ向かう途中、乗っていた飛行機が墜落します。生き延びたのは、リンダとブラッドリーだけ。流れ着いた先は、人のいない島でした。
助けが来る保証はありません。生きるためには協力するしかない。しかし相手は、何よりも嫌っていた人間です。会社という枠組みが消えた場所で、二人の力関係は変わっていきます。
ここが見どころ
力関係が組み替わる過程
上司であることの根拠は、会社があってはじめて成立します。それがなくなった島で、肩書きの通用しなさが少しずつ露呈していく。この過程がこの映画の主菜です。
サム・ライミの意地の悪さ
『死霊のはらわた』の監督ですが、本作で発揮されているのは残酷描写ではなく、人が追い詰められる様子を笑いに変える手つきです。笑っていいのか迷う場面が続きます。
レイチェル・マクアダムスの振れ幅
耐える人から反転していく役どころを、大げさにならない範囲で演じています。どの瞬間に何かが切り替わったのかが分かりにくく作られていて、そこが怖い。
この映画について:無人島に流れ着いたのが、大嫌いな上司と二人きり。
設定を聞いた時点で面白いことが約束されている企画です。問題は、その面白さを90分以上持たせられるかどうか。結論としては持ちます。島の中で状況を細かく変化させ続けることで、飽きさせない作りになっています。
サム・ライミは長らくヒーロー映画やホラーの監督として見られてきましたが、本来この人の資質はスラップスティックにあります。人が痛い目に遭う様子をリズムよく積み上げる技術が、この題材と噛み合っています。
弱点は、着地です。ここまで引っ張った関係をどう終わらせるか、という点で、やや無難な選択をしているように見えました。もっと踏み込めたのではないかという物足りなさは残ります。
とはいえ、職場でうんざりした経験がある人にはよく効きます。復讐譚として消費するもよし、権力とは何かの話として読むもよし、という懐の広さがあります。
この作品の良さ
- 設定だけで成立する強さを、最後まで引っ張り切った
- 肩書きが通用しなくなる過程の描写
- サム・ライミのスラップスティック的な資質
- レイチェル・マクアダムスの分かりにくい変化
当サイトの評価
無人島に流れ着いたのが、大嫌いな上司と二人きり。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.9 |
| 映像美 | 3.7 |
| 音楽 | 3.6 |
| 演技 | 4.1 |
| 余韻 | 3.7 |
世間ではどう評価されているか
- 監督
- サム・ライミ 『死霊のはらわた』
- 配給
- 20世紀 スタジオ
- 日本公開
- 2026 年1月30日
『死霊のはらわた』『スパイダーマン』三部作のサム・ライミによる作品で、20世紀スタジオ配給、2026年1月30日に日本公開されました。
レイチェル・マクアダムスとディラン・オブライエンの実質2人芝居で構成されています。
こんな人におすすめ
- 職場の人間関係にうんざりしたことがある人
- 登場人物が少ない密室劇・サバイバル劇が好きな人
- サム・ライミのブラックな笑いに耐性がある人
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