私がビーバーになる時
ピクサーが久しぶりに出した完全オリジナル作品です。続編が続いていたスタジオの、現在地が見える一本でした。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- ダニエル・チョン
- 声の出演(英語版)
- パイパー・カーダ、ボビー・モイニハン、ジョン・ハム
- 日本語吹替
- 芳根京子、小手伸也、渡部篤郎、大地真央、緒方恵美ほか
- 製作
- ピクサー・アニメーション・スタジオ
- 製作国
- アメリカ
- 日本公開
- 2026年3月13日
あらすじ(ネタバレなし)
動物を愛する大学生メイベル・タナカは、動物と意思疎通ができたらどんなにいいかとずっと考えていました。そんな彼女に、意識を動物型ロボットへ転送する実験への参加という話が舞い込みます。
転送先は、本物そっくりに作られたロボットのビーバー。メイベルはビーバーの姿で自然の中へ入り、動物たちと会話することに成功します。しかしそこで聞かされたのは、彼らの生息地が開発によって失われつつあるという話でした。
人間の側の事情も、動物の側の事情も分かってしまった彼女は、どちらの言い分にも立てないまま、両方を守る方法を探し始めます。
ここが見どころ
「両方の言い分が分かる」設定
人間でもあり動物でもある状態に主人公を置いたことで、単純な善悪の構図を回避しています。環境問題を扱いながら、人間を悪者にしない。この設計がこの映画の核です。
動物たちの造形
虫の女王、魚の女王といった面々が、それぞれ立場と縄張りを持って登場します。動物側も一枚岩ではないという描き方が、話を子ども向けの寓話から一段引き上げています。
ビーバーの身体で動く楽しさ
慣れない身体をどう操作するか、という部分がそのままギャグになっています。この種の「不自由さの笑い」はアニメーションの得意分野で、ピクサーはやはり巧い。
この映画について:動物と話すために、ロボットのビーバーになった。
ピクサーの完全オリジナル作品ということで期待値が上がっていましたが、結論としては良く出来ているが突き抜けてはいないというのが正直なところです。設定の面白さに対して、話の運びが手堅すぎる。
とはいえ、環境の話をここまで慎重に扱った子ども向け作品は多くありません。開発する側にも生活があり、動物側にも都合がある。どちらかを叩いて終わらせないという姿勢は一貫していて、これは評価されるべきだと思います。
監督のダニエル・チョンは『アドベンチャー・タイム』などを手がけてきた人で、絵の遊び方に独特のリズムがあります。動物たちのデザインには、ピクサーの標準的な可愛らしさとは少し違う癖が出ていて、そこが面白い。
日本語吹替の顔ぶれも良く、大地真央や緒方恵美といった配役が効いています。吹替版で観ても損はしません。
この作品の良さ
- 人間側・動物側どちらも悪者にしない設計
- 動物たちの中にも立場の違いがある描き方
- 身体が変わることの不自由さを笑いに変換している
- 日本語吹替の配役が良い
当サイトの評価
動物と話すために、ロボットのビーバーになった。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.8 |
| 映像美 | 4.3 |
| 音楽 | 3.9 |
| 演技 | 3.8 |
| 余韻 | 3.8 |
世間ではどう評価されているか
- 日本興収
- 24.3 億円
- 製作
- ピクサー オリジナル作品
- 日本公開
- 2026 年3月13日
ピクサー・アニメーション・スタジオによる2026年のオリジナル作品です。日本では2026年3月13日に公開され、興行収入は24.3億円でした。
続編作品が続いていたピクサーにとって、久々の完全オリジナル企画という位置づけで注目されました。
こんな人におすすめ
- 動物が好きな人
- 環境の話を、説教でなく物語として観たい人
- ピクサーのオリジナル作品を追いたい人
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