
千と千尋の神隠し
国内興行収入316.8億円、アカデミー賞とベルリン金熊賞をダブル受賞。数字だけが有名になりがちだが、中身は驚くほど地に足のついた「働く話」です。
怖いというより、絶望的な作品です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
植物店で働く美智は、無断欠勤している同僚の部屋を訪ねます。彼はそこで、彼女の目の前で首を吊ります。
同じ頃、大学生の亮介は、契約したばかりのインターネット回線に、見知らぬ映像が流れ込むのを目にします。「幽霊に会いたいですか」という文字が現れます。
赤いテープで目張りされた「開かずの間」が、街のあちこちに現れます。人が次々に消え、あとには黒い染みだけが残ります。
音を大きくして驚かす手法をほぼ使いません。幽霊は明るい場所を、ゆっくり歩いてきます。
画面の奥行きが異様に深く、人物の背後がいつも暗い。黒沢清の演出の特徴が最も出ています。
人がいなくなった街の描写。予算をかけずに、これを成立させています。
この作品の恐怖は、「死んだあとも永遠に孤独である」という設定から来ます。幽霊は襲ってきません。ただ、こちら側に来るだけです。
2001年という時期に、インターネットを孤独の装置として描いた点は先見的でした。いま観るとむしろ切実です。
難点は、テンポが非常に遅く、説明も少ないことです。恐怖の刺激を求めると外れます。
インターネットを通じて、死者があふれてくる。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.1 |
| 映像美 | 4.6 |
| 音楽 | 4.4 |
| 演技 | 4.0 |
| 余韻 | 4.8 |
2001年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で国際批評家連盟賞を受賞しました。
2006年にアメリカでリメイクされています。
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