告白
映像も音楽も極端にスタイリッシュで、題材の重さと噛み合っていないという批判もあります。そこも含めて紹介します。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- 中島哲也
- 原作
- 湊かなえ
- 出演
- 松たか子、岡田将生、木村佳乃、橋本愛
- 上映時間
- 106分
- 公開
- 2010年6月
あらすじ(ネタバレなし)
3月の終業式。中学校の教師・森口悠子は、騒がしい教室の前で静かに語り始めます。自分は今日で教師を辞めること、プールで死んだ娘は事故ではなく、このクラスの生徒二人に殺されたこと。
そして彼女は、法では裁けない少年たちに対して、自分なりの報復をすでに実行したと告げます。物語はその後、生徒、加害者の家族、そして本人たちの「告白」を重ねながら進みます。
ここが見どころ
冒頭30分の語り
教室のざわめきの中で、教師が淡々と話し続けるだけの30分。この長い導入で観客を捕まえてしまうのが、この映画の最大の勝負どころです。
視点を切り替える構成
同じ出来事を、立場の違う人物の語りで何度も見せます。原作小説の章構成をそのまま映像に置き換えた作りです。
スローモーションと選曲
残酷な場面ほど美しく、音楽は既存のロックやポップスが当てられます。題材と演出をわざと噛み合わせないという選択で、ここが評価の分かれ目です。
この映画について:冒頭の30分が、ほぼ一人の女性教師の語りだけで終わる。
松たか子の芝居がとにかく強い。声を荒げず、抑揚をほとんど付けずに最悪の内容を語り続けます。感情を出さないことで怖いという演技の典型で、冒頭30分はこれだけで持ちます。
構成も原作の強みをよく活かしていて、語り手が変わるたびに事実の見え方が変わっていく。誰の告白も完全には信用できない、という感覚が最後まで続きます。
一方で、演出の様式性は好みが完全に分かれます。少年犯罪という重い題材を、スローモーションと洋楽で「かっこよく」見せることへの違和感は当然あると思います。私も、そこが作品の価値を下げているとまでは思いませんが、居心地の悪さは残ります。
この作品の良さ
- 松たか子の抑制された芝居
- 語り手を変えて事実を揺らす構成
- 冒頭30分で観客を捕まえる度胸
当サイトの評価
冒頭の30分が、ほぼ一人の女性教師の語りだけで終わる。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.7 |
| 映像美 | 4.8 |
| 音楽 | 4.6 |
| 演技 | 4.8 |
| 余韻 | 4.6 |
世間ではどう評価されているか
- 日本アカデミー賞
- 最優秀作品賞 第34回
- 国内興行収入
- 38.5 億円
- 原作
- 湊かなえ 本屋大賞受賞作
第34回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞。米アカデミー賞外国語映画賞の日本代表にも選ばれました。
原作は湊かなえの同名小説で、本屋大賞を受賞したベストセラーです。いわゆる「イヤミス」というジャンルが広く知られるきっかけになった作品でもあります。
こんな人におすすめ
- 後味の悪い作品が平気な人
- 構成で見せる映画が好きな人
- 松たか子の芝居を観たい人
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