黒い雨BLACK RAIN
邦画1989年戦争1980年代今村昌平

黒い雨

原爆を扱った日本映画の中でも、最も抑制された一本です。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
今村昌平
原作
井伏鱒二
音楽
武満徹
出演
田中好子、北村和夫、市原悦子
上映時間
123分
公開
1989年5月

あらすじ(ネタバレなし)

1945年8月6日、広島。矢須子は叔父夫婦とともに市外へ向かう途中、黒い雨を浴びます。

5年後。矢須子は健康そのものに見えますが、被爆者だという噂のせいで縁談がまとまりません。叔父は、彼女が爆心地にいなかったことを証明しようとします。

近所の被爆者たちは、一人また一人と体調を崩していきます。そして矢須子の髪が、抜け始めます。

ここが見どころ

モノクロの撮影

1989年の作品ですが白黒で撮られています。記録映像との連続性を意識した選択です。

日常の描写

食事、洗濯、近所づきあい。何気ない場面の積み重ねが、失われるものの重さを作ります。

武満徹の音楽

極端に音数が少なく、旋律らしいものがほとんどありません。

この映画について:原爆投下から5年後。日常が、静かに壊れていく。

投下の瞬間の描写は序盤にありますが、この映画の中心は「その後、何年もかけて壊れていく生活」です。差別の描写がとくに厳しい。

今村昌平は人間の生々しさを撮る作家ですが、この作品では抑制が徹底しています。

難点は、テンポが非常に遅いことと、観たあとに重いものが残ることです。

この作品の良さ

  • 日常の積み重ね
  • モノクロの選択
  • 抑制された演出

当サイトの評価

4.3/5.0

原爆投下から5年後。日常が、静かに壊れていく。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.3
映像美4.6
音楽4.2
演技4.6
余韻4.8

世間ではどう評価されているか

カンヌ
エキュメニカル審査員賞 1989年
日本アカデミー賞
最優秀作品賞 第13回
IMDb
7.5 /10

1989年のカンヌ国際映画祭でエキュメニカル審査員賞を受賞し、第13回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞しました。

原作は井伏鱒二が被爆者の日記をもとに書いた小説です。

こんな人におすすめ

  • 原爆を扱った作品を観たい人
  • 静かな描写を好む人
  • 重い題材に向き合える人

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