魔女の宅急便
上京した経験のある人ほど刺さる作品だと思います。特に中盤以降、話がかなり現実的になります。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 原作
- 角野栄子
- 脚本・監督
- 宮崎駿
- 音楽
- 久石譲
- 制作
- スタジオジブリ
- 声の出演
- 高山みなみ、佐久間レイ、戸田恵子
- 上映時間
- 102分
- 公開
- 1989年7月
あらすじ(ネタバレなし)
魔女は13歳になると、家を出て知らない街で1年間修行しなければならない。そのしきたりに従って、キキは黒猫のジジとともに海辺の大きな街へやってきます。
しかし街の人はよそよそしく、魔女は珍しがられるだけ。パン屋の夫婦に居候させてもらったキキは、空を飛べることを活かして宅配の仕事を始めます。少しずつ客がつく一方で、彼女は同世代の少年少女との距離に戸惑い、ある日、突然空を飛べなくなります。
ここが見どころ
飛べなくなる中盤
この映画の本題はここからです。できていたことが理由もなくできなくなるという、あの感覚を正面から扱っている。子ども向け作品としては相当に踏み込んでいます。
ウルスラの言葉
森の絵描きの少女が、描けなくなったときの話をします。「描かない」で待つ、という助言は、この映画のいちばん大事な部分です。
街の設計
ヨーロッパの複数の都市を混ぜた架空の街並み。石畳、時計台、路面電車。よそ者にとっての「きれいだけど自分の居場所ではない街」として作られています。
この映画について:魔法の話ではなく、初めて一人暮らしをする話。
魔法の話に見えて、中身はほとんど労働と自己肯定の話です。キキは特別な力を持っていますが、それは商売道具でしかなく、彼女を悩ませるのは仕事の疲れと、周囲との距離です。
特に見事なのは、飛べなくなる原因をはっきり説明しないことです。頑張りすぎたから、とも、思春期だから、とも取れる。原因を特定しないから、観る人が自分の経験を重ねられる。
終盤の飛行船の救出劇は、それまでの静かな流れから浮いていると感じる人もいると思います。私も少し唐突だとは思いますが、あそこで彼女が「誰かのために」飛ぶことに意味があるのだとも読めます。
この作品の良さ
- できなくなることを正面から扱った中盤
- 原因を説明しないという判断
- よそ者から見た街の描き方
当サイトの評価
魔法の話ではなく、初めて一人暮らしをする話。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.5 |
| 映像美 | 4.7 |
| 音楽 | 4.7 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 4.6 |
世間ではどう評価されているか
- 公開
- 1989 その年の邦画で興行1位
- IMDb
- 7.8 /10
- 原作
- 角野栄子 児童文学
1989年の日本映画で最大のヒットとなり、スタジオジブリが興行的に安定するきっかけになった作品です。
原作は角野栄子の児童文学で、シリーズとして長く書き継がれています。映画版は原作の第1巻を基にしつつ、飛べなくなるという展開など映画独自の要素が加えられています。
こんな人におすすめ
- 上京や独り立ちの経験がある人
- 静かな成長物語が好きな人
- ジブリを順に観ていきたい人
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