OF THE RINGS
ロード・オブ・ザ・リング
3部作の1作目。CGだけに頼らず、実景・ミニチュア・特殊メイクを総動員して中つ国を成立させた。ファンタジー映画の基準を作った作品。
ピクサーの中でも、設定の発明がいちばん効いている作品だと思います。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
モンスターの世界の電力は、人間の子どもの悲鳴でまかなわれています。モンスターズ株式会社の社員たちは、毎晩クローゼットの扉から子ども部屋へ「出勤」し、悲鳴を集めて帰ってきます。
社内トップの実績を誇るサリーと相棒のマイクは、ある夜、人間の女の子を誤ってモンスターの世界に連れ帰ってしまいます。人間の子どもは猛毒とされ、見つかれば大騒動です。
二人は女の子を「ブー」と呼び、こっそり元の部屋へ帰そうとしますが、事態は会社の中枢につながっていきます。
無数のドアがレールで走り回る中を追いかけっこする終盤。設定の面白さがそのままアクションになるという、企画と演出が噛み合った好例です。
230万本以上の毛を個別に動かす処理は、当時としては挑戦的でした。技術の見せ場を「かわいさ」に変換しています。
説明を足さずに扉一枚で終わらせる幕切れ。ピクサーのラストの中でも屈指の短さと効き目です。
「悲鳴がエネルギー」という設定は、そのまま労働と資源の話に読めます。しかし作品はそこを説教にせず、あくまで相棒二人の関係で押し切ります。この抑制が良い。
ブーの言葉はほとんど意味を持ちませんが、それでも意思が伝わる。子役の録音を後から編集して作られた声で、狙って作れるものではない自然さがあります。
難点は、悪役の造形がやや単純なことです。
子どもの悲鳴がエネルギー。設定一発で最後まで持っていく。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.4 |
| 映像美 | 4.4 |
| 音楽 | 4.2 |
| 演技 | 4.3 |
| 余韻 | 4.3 |
第74回アカデミー賞で歌曲賞を受賞しました。長編アニメ映画賞は新設初年度でしたが、受賞は『シュレック』でした。
2013年に前日譚『モンスターズ・ユニバーシティ』が公開されています。
各サービスで「モンスターズ・インク」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。