マルホランド・ドライブMULHOLLAND DRIVE
洋画2001年サスペンス2000年代デヴィッド・リンチ

マルホランド・ドライブ

「意味が分からなかった」という感想が、この映画では正しい反応です。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
デヴィッド・リンチ
音楽
アンジェロ・バダラメンティ
出演
ナオミ・ワッツ、ローラ・ハリング、ジャスティン・セロー
製作国
アメリカ・フランス
上映時間
147分
公開
2001年(日本は2002年)

あらすじ(ネタバレなし)

深夜のマルホランド・ドライブで交通事故が起こり、一人の女が記憶を失ってさまよい出ます。彼女は空き家に入り込み、そこへ越してきた女優志望のベティと出会います。

自分が誰なのか分からない女は、ハンドバッグの中にあった青い鍵と大量の現金だけを手がかりに、ベティとともに正体を探し始めます。

調査はやがて、ハリウッドの制作現場や、名前だけが浮かぶ一軒のダイナーへとつながっていきます。

ここが見どころ

シレンシオの場面

深夜の劇場で「すべては録音だ」と告げられながら歌が始まる場面。ここを境に、映画は自分が嘘であることを宣言します。

ナオミ・ワッツの二役

前半の快活なベティと、後半の別人。同じ俳優が演じているとは思えない落差が、この作品の仕掛けそのものです。

バダラメンティの音楽

低く持続する弦。何も起きていない場面にまで不安を敷き詰めます。

この映画について:筋を追おうとすると必ず迷子になる。それでいい映画。

元はテレビシリーズのパイロット版として撮られたものが、放送に至らず、追加撮影を経て長編になったという経緯があります。前半と後半の質感の違いは、この成り立ちとも無関係ではありません。

一般的には「後半が現実で、前半は願望」という読みが広く支持されていますが、リンチ自身は説明していません。私は答え合わせをしないほうがこの映画は強いと思います。

難点は明白で、筋の通った物語を期待すると147分は長い。ただ、雰囲気に身を任せられる人には代えがたい体験になります。

この作品の良さ

  • シレンシオの場面の演出
  • ナオミ・ワッツの二役
  • 解釈が閉じない構造

当サイトの評価

4.4/5.0

筋を追おうとすると必ず迷子になる。それでいい映画。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.4
映像美4.8
音楽4.6
演技4.5
余韻4.9

世間ではどう評価されているか

カンヌ
監督賞 2001年
IMDb
7.9 /10
成り立ち
TV企画から パイロット版が長編化

第54回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しました(コーエン兄弟『バーバー』と同時受賞)。

各国の批評家投票で「21世紀の映画」の上位に繰り返し選ばれており、公開から20年以上たっても評価が下がっていない作品です。

こんな人におすすめ

  • 筋が通らなくても平気な人
  • リンチ作品に入ってみたい人
  • 解釈を語り合いたい人

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