OF THE RINGS
ロード・オブ・ザ・リング
3部作の1作目。CGだけに頼らず、実景・ミニチュア・特殊メイクを総動員して中つ国を成立させた。ファンタジー映画の基準を作った作品。
「意味が分からなかった」という感想が、この映画では正しい反応です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
深夜のマルホランド・ドライブで交通事故が起こり、一人の女が記憶を失ってさまよい出ます。彼女は空き家に入り込み、そこへ越してきた女優志望のベティと出会います。
自分が誰なのか分からない女は、ハンドバッグの中にあった青い鍵と大量の現金だけを手がかりに、ベティとともに正体を探し始めます。
調査はやがて、ハリウッドの制作現場や、名前だけが浮かぶ一軒のダイナーへとつながっていきます。
深夜の劇場で「すべては録音だ」と告げられながら歌が始まる場面。ここを境に、映画は自分が嘘であることを宣言します。
前半の快活なベティと、後半の別人。同じ俳優が演じているとは思えない落差が、この作品の仕掛けそのものです。
低く持続する弦。何も起きていない場面にまで不安を敷き詰めます。
元はテレビシリーズのパイロット版として撮られたものが、放送に至らず、追加撮影を経て長編になったという経緯があります。前半と後半の質感の違いは、この成り立ちとも無関係ではありません。
一般的には「後半が現実で、前半は願望」という読みが広く支持されていますが、リンチ自身は説明していません。私は答え合わせをしないほうがこの映画は強いと思います。
難点は明白で、筋の通った物語を期待すると147分は長い。ただ、雰囲気に身を任せられる人には代えがたい体験になります。
筋を追おうとすると必ず迷子になる。それでいい映画。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.4 |
| 映像美 | 4.8 |
| 音楽 | 4.6 |
| 演技 | 4.5 |
| 余韻 | 4.9 |
第54回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しました(コーエン兄弟『バーバー』と同時受賞)。
各国の批評家投票で「21世紀の映画」の上位に繰り返し選ばれており、公開から20年以上たっても評価が下がっていない作品です。
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