風の谷のナウシカ
ジブリ作品として扱われることが多いですが、実際はジブリ設立のきっかけになった作品です。原作との関係も含めて紹介します。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 原作・脚本・監督
- 宮崎駿
- 音楽
- 久石譲
- 声の出演
- 島本須美、松田洋治、榊原良子
- 上映時間
- 116分
- 公開
- 1984年3月
あらすじ(ネタバレなし)
巨大産業文明が崩壊してから1000年。地表は「腐海」と呼ばれる有毒な菌類の森に覆われ、巨大な蟲たちが棲んでいます。人類は残されたわずかな土地で細々と生きていました。
海からの風に守られた辺境の小国・風の谷。族長の娘ナウシカは、蟲と心を通わせる不思議な少女です。ある日、大国トルメキアの軍が谷に侵攻し、旧文明の兵器「巨神兵」をめぐる戦いに、谷は巻き込まれていきます。
ここが見どころ
腐海の設定
有毒な森は、実は汚染された大地を浄化するための仕組みだった。敵に見えるものが実は治療であるという反転が、作品全体の骨格になっています。
王蟲の群れ
地平線を埋める巨大な蟲の群れ。手描きで数百体を動かす物量が、そのまま恐怖と神聖さになっています。
久石譲の初仕事
宮崎駿作品での音楽は、この作品が最初です。合成音とオーケストラを混ぜた独特の質感が、腐海の異界感を支えています。
この映画について:ジブリ以前の宮崎駿。すでに全部そろっている。
1984年の作品ですが、環境と戦争をめぐる主題の扱いはいま観ても古びません。自然を守れば解決する、という単純な話にしていないのがこの作品の強さで、腐海も蟲も人間にとっては純粋に脅威のまま描かれます。
一方で、映画としては駆け足です。116分に大量の設定と勢力と戦闘を詰め込んでいるので、人物の掘り下げは薄い。特にナウシカ自身が最初から完成された人物なので、成長の物語にはなっていません。
この駆け足感は、原作漫画がまだ序盤の時点で映画化されたことが理由です。原作は映画の後も12年かけて連載され、結末は映画とかなり違います。映画を気に入ったら原作を読むと、印象が大きく変わるはずです。
この作品の良さ
- 環境と戦争を単純化しない主題の扱い
- 手描きによる王蟲の群れの物量
- 久石譲の音楽の異界感
当サイトの評価
ジブリ以前の宮崎駿。すでに全部そろっている。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.5 |
| 映像美 | 4.7 |
| 音楽 | 4.9 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 4.7 |
世間ではどう評価されているか
- 公開
- 1984 スタジオジブリ設立前
- IMDb
- 8.0 /10
- 原作
- 漫画 全7巻・1994年完結
この作品の成功を受けて、翌1985年にスタジオジブリが設立されました。厳密にはジブリ作品ではありませんが、現在はジブリ作品として一緒に扱われることがほとんどです。
原作漫画は映画公開後も連載が続き、1994年に全7巻で完結しました。後半は映画版とはまったく異なる展開をたどり、結末も大きく違います。
こんな人におすすめ
- ジブリ作品を順に観ていきたい人
- 環境や戦争を扱った物語が好きな人
- 原作漫画にも手を伸ばすつもりがある人
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