男はつらいよ
長すぎて手が出せないと思われがちですが、1作目は独立した一本の映画として観られます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・原作
- 山田洋次
- 出演
- 渥美清、倍賞千恵子、笠智衆、光本幸子
- 上映時間
- 91分
- 公開
- 1969年8月
あらすじ(ネタバレなし)
16歳で家を飛び出し、テキ屋として各地を渡り歩いてきた車寅次郎が、20年ぶりに東京・葛飾柴又へ帰ってきます。実家は団子屋。妹のさくらは、見合いを控えていました。
久しぶりの家族との時間もつかの間、寅次郎は口が悪く、場をわきまえず、見合いの席をぶち壊してしまいます。それでも家族は彼を追い出せない。やがて彼は、御前様の娘に恋をします。
ここが見どころ
寅次郎という人物
情に厚く、口が悪く、必ず失敗する。成長しないことが前提の主人公で、この造形が50作続く土台になりました。
柴又の風景
帝釈天の参道、団子屋、江戸川の土手。1969年の下町がそのまま記録されています。
妹さくらの存在
兄を持て余しながら、誰よりも味方でい続ける。倍賞千恵子の芝居が、この作品の温度を保っています。
この映画について:全50作の第1作。ここだけ観ても完結している。
1作目は、後のシリーズより少し辛口です。寅次郎は迷惑な人物として容赦なく描かれ、家族の疲弊もはっきり出ています。後年の作品にある様式化された優しさは、まだありません。
笑いの質も古びていません。間の取り方、啖呵、そして毎回同じ形で失敗する構造。日本の喜劇の型として、いま観ても機能します。
難点は、当時の価値観がそのまま出ていることです。特に女性の扱いは古い。また、この1本だけだとシリーズの魅力である「毎回同じことが起きる安心感」は味わえません。
この作品の良さ
- 成長しない主人公という造形の発明
- 1969年の下町の記録としての価値
- 91分と短く、1本で完結している
当サイトの評価
全50作の第1作。ここだけ観ても完結している。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.3 |
| 映像美 | 4.1 |
| 音楽 | 4.2 |
| 演技 | 4.8 |
| 余韻 | 4.4 |
世間ではどう評価されているか
- シリーズ
- 全50作 ギネス記録の長寿シリーズ
- 公開
- 1969 元はテレビドラマ
- 評価
- 国民的 日本映画史の定番
元はテレビドラマとして作られ、その好評を受けて映画化されました。以降シリーズは1995年まで続き、同一俳優による最も長い映画シリーズとしてギネス世界記録に認定されています。
日本の映画館の興行を長く支えた作品群であり、正月と盆に新作が公開されるという習慣そのものを作りました。
こんな人におすすめ
- 日本の喜劇の定番を押さえたい人
- 昭和の下町の風景に興味がある人
- 長いシリーズの1本目から入りたい人
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