崖の上のポニョ
子ども向けとして流されがちですが、作り方としてはジブリ作品の中でもっとも極端な一本です。そこを中心に書きます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 原作・脚本・監督
- 宮崎駿
- 音楽
- 久石譲
- 制作
- スタジオジブリ
- 声の出演
- 山口智子、長嶋一茂、奈良柚莉愛、土井洋輝
- 上映時間
- 101分
- 公開
- 2008年7月
あらすじ(ネタバレなし)
海辺の町。5歳の少年・宗介は、崖の下の海でガラス瓶に頭を突っ込んだ魚の子を助けます。ポニョと名づけられたその魚は、人間になりたいと願うようになります。
ポニョは父である海の魔法使いのもとを抜け出し、人間の姿になって宗介のところへ戻ってきます。しかしその代償に、世界の均衡が崩れ、町は海に沈みます。
ここが見どころ
全編手描き
背景も水も、CGをほぼ使わず手描きで通しています。7万枚を超える作画枚数と言われ、線の揺れがそのまま画面の躍動になっています。
波が魚になる
ポニョが波の上を走る場面で、波そのものが魚の群れの形をとります。物理的な正しさを完全に捨てて、動きの気持ちよさだけを取っている。
町が沈んだあと
水没した町を、人々が特に慌てず船で行き来しています。災害のはずなのに、どこか祝祭のように描かれる不思議な感触が、この作品の核です。
この映画について:理屈を全部捨てて、線と動きだけで作った。
物語としては、かなり無茶です。世界の均衡が崩れ、月が近づき、町が沈む。それなのに誰も深刻にならず、最後は素朴な問いかけひとつで解決してしまう。筋を追う映画ではありません。
その代わりに徹底されているのが、5歳の子どもの世界の見え方です。海が来ても怖くない、母が運転する車が速くて楽しい、好きな子が来て嬉しい。大人の理屈を全部排除した視点で最後まで通しています。
だから、大人が筋の整合性を求めて観るとまったく合いません。私も初見では戸惑いました。ただ、手描きの線がここまで自由に動く作品は他になく、映像として観る価値ははっきりあると思います。
この作品の良さ
- 全編手描きによる、線の躍動
- 5歳の視点を最後まで貫く徹底ぶり
- 波の表現は他に類がない
当サイトの評価
理屈を全部捨てて、線と動きだけで作った。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.7 |
| 映像美 | 4.9 |
| 音楽 | 4.7 |
| 演技 | 4.2 |
| 余韻 | 4.3 |
世間ではどう評価されているか
- 国内興行収入
- 155 億円
- IMDb
- 7.6 /10
- 作画
- 全編手描き CGをほぼ使用せず
国内興行収入155億円を記録した大ヒット作です。主題歌も社会現象的に広まりました。
CGを使わず全編を手描きで作るという方針は、制作当時としても異例でした。宮崎駿監督が、デジタル技術に頼らない作画の可能性を試した作品として語られます。
こんな人におすすめ
- 小さな子どもと一緒に観たい人
- アニメーションの線の動きを味わいたい人
- 理屈を気にせず観られる人
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