山椒大夫SANSHO THE BAILIFF
邦画1954年時代劇1950年代溝口健二

山椒大夫

つらい作品です。それでも、映像の力で最後まで観られます。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
溝口健二
原作
森鴎外
撮影
宮川一夫
出演
田中絹代、香川京子、花柳喜章、進藤英太郎
上映時間
124分
公開
1954年3月

あらすじ(ネタバレなし)

平安時代。領民をかばって左遷された国司の妻と子どもたちが、父を訪ねる旅の途中で人買いに騙されます。母は佐渡へ、姉弟は丹後の荘園へ売られます。

山椒大夫のもとで奴隷として10年を過ごした厨子王と安寿。姉は弟を逃がすために自らを犠牲にし、弟は都へ向かいます。

ここが見どころ

宮川一夫の撮影

沼、霧、松林。残酷な内容に対して、画は徹底して美しい。この落差が作品の強度です。

安寿の入水

姉が沼へ入っていく場面。遠景で、水面の波紋だけを見せる。直接描かないことで、かえって残ります。

この映画について:救いのなさを、これ以上ないほど美しく撮る。

内容は容赦がありません。家族は引き裂かれ、多くが救われないまま終わります。

それでも観られるのは、撮影が突出しているからです。長回しと移動撮影で、悲惨な出来事が絵巻物のように流れていきます。

難点は、つらさの度合いです。また、母を演じる田中絹代の場面など、直視しにくい描写もあります。体調を選ぶ作品です。

この作品の良さ

  • 宮川一夫による撮影
  • 直接描かないことで強まる残酷さ
  • 長回しと移動撮影

当サイトの評価

4.8/5.0

救いのなさを、これ以上ないほど美しく撮る。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.9
映像美5.0
音楽4.5
演技4.8
余韻5.0

世間ではどう評価されているか

ヴェネツィア
銀獅子賞 1954年
IMDb
8.3 /10
評価
最高位 溝口作品の代表作

1954年のヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞。溝口健二監督は3年連続で同映画祭の賞を受け、日本映画の国際的評価を支えました。

こんな人におすすめ

  • 映像美を味わいたい人
  • つらい題材に耐えられる人
  • 日本映画の古典を押さえたい人

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