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洋画2016年アニメ2010年代アメリカ

ズートピア

動物が主人公の楽しいアニメだと思って観始めると、途中で背筋が伸びる作品です。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
バイロン・ハワード、リッチ・ムーア
製作
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
製作国
アメリカ
公開
2016年
受賞
米アカデミー賞 長編アニメーション映画賞
ジャンル
アニメーション/バディ刑事もの

あらすじ(ネタバレなし)

肉食動物と草食動物が共存する大都市ズートピア。「誰でも何にでもなれる」を掲げるこの街に、ウサギとして史上初の警察官ジュディ・ホップスが赴任します。

しかし彼女に与えられたのは駐車違反の取り締まりだけ。小柄なウサギに事件は任せられない、というのが上司の判断でした。ジュディは強引に行方不明事件の捜査を引き受けます。

手がかりを握るのは、詐欺を生業とするキツネのニック・ワイルド。反りの合わない二人が組んで捜査を進めるうち、事件の背後にある街の構造が見えてきます。

ここが見どころ

偏見の描き方

この映画がすごいのは、主人公自身が偏見を持っていると描いた点です。差別される側だったジュディが、無自覚に他者を差別する。この自己反省の構造が、ただの説教から作品を救っています。

ナマケモノの窓口

陸運局の場面は、この映画でいちばん笑える部分です。ギャグとしての完成度が高すぎて、単独で有名になったほど。緊張の緩和としても効いています。

都市の設計

ツンドラタウン、サハラスクエア、齧歯類の小さな街。動物のサイズに合わせて区画が分かれている設定が、そのまま社会の分断の比喩になっています。

この映画について:動物たちの理想郷を舞台に、偏見の話を正面からやる。

扱っている主題は明確に差別と分断です。少数派が恐れられ、統計が印象操作に使われ、恐怖が政治的に利用される。これを子ども向けアニメーションでやるという判断が、まず異常だと思います。

しかも説教になっていません。理由は、主人公を無謬にしなかったからです。ジュディは善意のまま人を傷つけ、その後で自分の失敗に向き合う。正しい側が正しくないことをするという順序が、この映画を大人向けにしています。

バディものとしても良く出来ていて、ジュディとニックの掛け合いはテンポが良い。ミステリの筋も破綻していません。娯楽としての完成度が、主題の重さを支えています。

唯一気になるのは、比喩がやや直接的なことです。特定の社会状況を思い浮かべやすすぎるため、寓話としての射程が狭くなっている面はあります。ただ、それは伝えたいことがはっきりしている証拠でもあります。

この作品の良さ

  • 主人公自身に偏見を持たせた構造
  • 差別を扱いながら説教にならない語り口
  • バディものとしてのテンポの良さ
  • 都市の区画設計が主題の比喩になっている

当サイトの評価

4.5/5.0

動物たちの理想郷を舞台に、偏見の話を正面からやる。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.7
映像美4.5
音楽4.3
演技4.3
余韻4.4

世間ではどう評価されているか

米アカデミー賞
受賞 長編アニメーション映画賞
公開
2016
製作
ディズニー

第89回アカデミー賞で長編アニメーション映画賞を受賞しました。

差別や偏見という主題を、子ども向けアニメーションの枠で正面から扱った点が高く評価されています。当サイトでは続編『ズートピア2』も収録しています。

こんな人におすすめ

  • アニメーションで社会的な主題を観たい人
  • バディ刑事ものが好きな人
  • 子どもと一緒に観て、あとで話をしたい人

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