2001年宇宙の旅
「難解な映画」の代名詞ですが、実は身構えるほど複雑ではありません。理解しようとせず眺める、という観方をおすすめします。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- スタンリー・キューブリック
- 脚本・原案
- アーサー・C・クラーク
- 出演
- キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド
- 上映時間
- 139分
- 日本公開
- 1968年4月
あらすじ(ネタバレなし)
遥かな過去。飢えた類人猿の群れの前に、黒い直方体の物体が現れます。それに触れた一頭が、骨を道具として使うことを覚えます。
時代は現代を越え、月面で同じ物体が発掘されます。その発信先である木星へ向かう宇宙船ディスカバリー号には、二人の乗員と、乗員以上に有能な人工知能HAL9000が搭載されていました。
ここが見どころ
骨から宇宙船へ
投げ上げられた骨が、次のカットで宇宙船に変わる。数百万年を1カットで飛び越えるこの編集は、映画史でもっとも有名なつなぎのひとつです。
無音の宇宙
船外の場面では音が鳴らず、聞こえるのは宇宙服の中の呼吸だけ。1968年の時点でこの原則を守っている映画はほとんどありませんでした。
HAL9000
赤い一つ目のレンズと、抑揚のない声。暴走する人工知能という型そのものを作った存在で、以降のSFはほぼすべてこの影響下にあります。
この映画について:説明を全部捨てて、映像と音だけで人類史をやる。
この映画は、意味を説明することを最初から放棄しています。モノリスが何かも、ラストで何が起きたのかも語られない。解釈は観る側に丸投げされているので、答え合わせをしようとすると必ず不満が残ります。
その代わりに与えられるのは、圧倒的な映像と音の体験です。無重力の描写、船内の白い光、クラシック音楽の使い方。特殊撮影は模型と手作業で行われていて、それがいま観ても嘘に見えないのは驚異的です。
テンポは非常に遅く、台詞のない時間が延々と続きます。退屈だと感じるのは正しい反応で、それでも耐えられるかどうかで評価が真っ二つに割れます。合わない人には本当に合いません。
この作品の良さ
- 模型撮影による、いまも古びない宇宙の映像
- 説明を捨てて画と音だけで語る徹底ぶり
- HAL9000という造形の完成度
当サイトの評価
説明を全部捨てて、映像と音だけで人類史をやる。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.2 |
| 映像美 | 5.0 |
| 音楽 | 5.0 |
| 演技 | 3.8 |
| 余韻 | 5.0 |
世間ではどう評価されているか
- IMDb
- 8.3 /10
- 米アカデミー賞
- 受賞 視覚効果賞
- 影響
- 絶大 SF映画の基準を作った
第41回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞。公開当時の批評は割れましたが、時間の経過とともに評価が固まり、現在では映画史のオールタイムベスト企画で常に上位に置かれます。
宇宙空間を科学的に正しく描こうとした最初の大作であり、以降のSF映画は良くも悪くもこの作品との距離で語られるようになりました。
こんな人におすすめ
- 有名な難解作を自分の目で確かめたい人
- 映像と音を浴びたい人
- 途中で寝ても気にしない心構えができる人
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