アメリカン・ビューティー
1999年のアカデミー作品賞受賞作です。現在では評価が難しくなった部分もあるので、そこも書きます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- サム・メンデス
- 脚本
- アラン・ボール
- 出演
- ケヴィン・スペイシー、アネット・ベニング、ソーラ・バーチ
- 音楽
- トーマス・ニューマン
- 上映時間
- 122分
- 日本公開
- 2000年4月
あらすじ(ネタバレなし)
アメリカ郊外の住宅街。広告会社に勤めるレスター・バーナムは、仕事にも家庭にも意味を見いだせないまま日々を送っています。妻は不動産業で成功に執着し、娘は両親を軽蔑しています。
ある日、娘の同級生に強く惹かれたことをきっかけに、レスターは仕事を辞め、筋トレを始め、望むままに振る舞い始めます。同じころ、隣に越してきた軍人一家にも歪みが生じていました。
ここが見どころ
ビニール袋の映像
風に舞うレジ袋を延々と撮ったホームビデオ。美しさは意味のないところに宿るという主題が、この一場面に置かれています。
全員が何かを隠している
登場人物の誰もが本音を隠して生活しています。郊外の完璧な生活という建前を、一軒ずつ剥がしていく構成です。
この映画について:郊外の理想的な家庭が、内側から崩れていく。
1999年という世紀末の空気が濃く出ています。物質的には満たされているのに、誰も幸福ではないという主題は、当時の時代感覚そのものでした。
撮影が非常に美しく、対称的な構図と赤の使い方が徹底しています。トーマス・ニューマンの音楽も含めて、様式としての完成度は高い。
難点は現在の目で見たときの主題の危うさです。中年男性が10代の少女に執着する話を肯定的な調子で描く構造は、いまでは正面から擁護しにくい。また主演俳優をめぐる後年の問題もあり、評価が動いている作品です。そこを承知で観るのがいいと思います。
この作品の良さ
- 1999年の空気を封じ込めた主題
- 対称的な構図と色彩設計
- トーマス・ニューマンの音楽
当サイトの評価
郊外の理想的な家庭が、内側から崩れていく。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.6 |
| 映像美 | 4.7 |
| 音楽 | 4.6 |
| 演技 | 4.8 |
| 余韻 | 4.5 |
世間ではどう評価されているか
- 米アカデミー賞
- 5冠 作品賞・監督賞・主演男優賞ほか
- IMDb
- 8.3 /10
- 評価
- 変動中 現在は賛否が分かれる
第72回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞・脚本賞・撮影賞の5部門を受賞しました。公開当時の絶賛に対し、近年は主題と出演者をめぐって評価が揺れている作品でもあります。
こんな人におすすめ
- 1990年代末のアメリカに興味がある人
- 映像設計を味わいたい人
- 評価の変わった作品を自分の目で確かめたい人
配信を探す
各サービスで「アメリカン・ビューティー」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。