歩いても 歩いてもSTILL WALKING
歩いても 歩いても
是枝作品の中でいちばん好きな一本です。地味ですが、家族の話としての精度は突出しています。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本・編集
- 是枝裕和
- 出演
- 阿部寛、夏川結衣、YOU、原田芳雄、樹木希林
- 上映時間
- 114分
- 公開
- 2008年6月
あらすじ(ネタバレなし)
15年前に亡くなった長男の命日。次男の良多は、再婚した妻と連れ子を伴って、しぶしぶ実家に帰ります。父は元開業医で、良多の職業を認めていません。
母は料理をつくり、姉の一家は騒がしく、話題は途切れながら続きます。一日と一晩。誰も本題を口にしないまま、しかしいくつかの言葉が確実に相手を傷つけていきます。
ここが見どころ
母のひとこと
終盤、樹木希林演じる母が、ある人物を毎年呼び続ける理由を語ります。優しい人だと思っていた人物の別の面が、一瞬で出る場面です。
料理と食事
とうもろこしの天ぷら、すいか。食べる場面の合間にだけ、本音が漏れるという構成が徹底しています。
この映画について:実家に一日帰るだけ。それだけで、全部が出る。
事件は何も起きません。家族が集まって、食べて、話して、帰る。それだけで114分。それでも持つのは、会話の一つひとつに含みがあるからです。
描かれているのは、家族が善意で互いを傷つけるという構造です。誰も悪人ではないのに、言葉は確実に刺さる。この精度が非常に高い。
難点は、劇的な展開を期待すると何もないことです。また、日本の家族像を前提にしているので、その文脈が薄いと分かりにくい部分もあります。
この作品の良さ
- 何も起きない一日で全部を出す構成
- 食事の合間にだけ本音が漏れる設計
- 樹木希林の芝居
当サイトの評価
4.7/5.0
実家に一日帰るだけ。それだけで、全部が出る。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.8 |
| 映像美 | 4.4 |
| 音楽 | 4.3 |
| 演技 | 5.0 |
| 余韻 | 4.9 |
世間ではどう評価されているか
- キネマ旬報
- 上位 2008年 日本映画ベスト・テン
- IMDb
- 7.9 /10
- 評価
- 国際的 海外の批評家に人気が高い
小津安二郎の作品と比較されることが多く、海外の批評家からの評価が特に高い作品です。是枝裕和監督自身も、自作の中で重要な一本として言及しています。
こんな人におすすめ
- 静かな家族の話が好きな人
- 会話の含みを味わいたい人
- 『東京物語』が好きだった人
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