CASABLANCA
洋画1942年恋愛1940年代古典

カサブランカ

有名なフレーズだけ知っている、という人が多い作品です。通しで観ると、なぜあれらが名台詞になったのかが分かります。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
マイケル・カーティス
出演
ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン、ポール・ヘンリード
上映時間
102分
公開
1942年(アメリカ)

あらすじ(ネタバレなし)

第二次世界大戦下、ドイツ占領下のフランス領モロッコ。中立地帯カサブランカには、アメリカへの脱出を望む人々が集まっていました。アメリカ人リックが営む酒場は、そうした人々の吹きだまりです。

ある夜、リックの前に、かつてパリで愛した女イルザが現れます。彼女は、ナチスに追われるレジスタンスの指導者の妻になっていました。二人がアメリカへ渡るには、リックが偶然手にした通行証が必要でした。

ここが見どころ

『ラ・マルセイエーズ』の合唱

酒場でドイツ兵が軍歌を歌い出したのに対し、客たちがフランス国歌を歌い返す数分。戦時中に、戦時中の話として撮られていることの重みが出ます。

回想のパリ

現在の乾いたやり取りの間に、たった一度だけ挟まれる過去の場面。ここが短いからこそ、二人の関係の説明がすべて済みます。

台詞の密度

「君の瞳に乾杯」をはじめ、引用され続けているフレーズが並びます。どれも気取った独立した名言ではなく、その場面の必然として出てくるのが上手さです。

この映画について:名台詞の見本市。しかも全部、その場面でしか成立しない。

恋愛映画として観ると、リックの選択が主題です。手に入れられたはずのものを、自分から手放す。それを感傷ではなく、渋い顔と短い台詞だけで見せる。

戦時中に作られたプロパガンダ的な性格もあり、その意味では単純な作品です。ただ、単純だからこそ、いまも通じている。脚本は撮影中も書き換えられ続け、結末は撮影終盤まで決まっていなかったと言われます。

難点は、女性側のイルザの造形が、二人の男の間で揺れる存在に留まっていることでしょうか。ここは時代的な限界だと思います。あと102分と短いぶん、脇役の描写は薄めです。

この作品の良さ

  • 台詞が名言のためでなく、場面の必然として出てくる
  • 国歌の合唱をはじめとする、戦時中の空気
  • 102分と短く、テンポがいい

当サイトの評価

4.8/5.0

名台詞の見本市。しかも全部、その場面でしか成立しない。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本5.0
映像美4.6
音楽4.8
演技4.9
余韻4.8

世間ではどう評価されているか

米アカデミー賞
3冠 作品賞・監督賞・脚色賞
IMDb
8.5 /10
評価
最高位 米国映画の代表作として常に上位

第16回アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚色賞を受賞しました。

アメリカ映画協会(AFI)による歴代ベスト企画では常に最上位に置かれ、引用された台詞の多さでは他の追随を許しません

こんな人におすすめ

  • 古典の恋愛映画を一本押さえたい人
  • 台詞の切れ味を味わいたい人
  • 有名なフレーズの出どころを知りたい人

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