クライマーズ・ハイ
事故を扱った映画は多くありますが、報道する側を主役にした作品はそう多くありません。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- 原田眞人
- 原作
- 横山秀夫『クライマーズ・ハイ』
- 出演
- 堤真一、堺雅人、尾野真千子、山崎努、遠藤憲一
- 製作国
- 日本
- 公開
- 2008年
- 題材
- 1985年の日航機墜落事故
あらすじ(ネタバレなし)
1985年8月、群馬県の地方紙・北関東新聞。遊軍記者の悠木は、同僚と谷川岳へ登る約束をしていました。
その日、日航機が御巣鷹山に墜落します。地元で起きた未曾有の事故に、社は全権デスクとして悠木を指名します。彼は登山を取りやめ、編集局の指揮を執ることになります。
現場に記者を送り、原稿を集め、紙面を組む。しかし社内では、政治部と社会部の対立、上層部の思惑、世代間の反目が絡み合い、判断は次々と覆されます。締切は待ってくれません。
ここが見どころ
編集局の喧噪
怒鳴り声が重なり、複数の会話が同時に進みます。原田眞人が得意とする台詞を聞き取らせない演出で、実際の職場の混乱がそのまま画になっています。
「載せるか載せないか」の攻防
スクープを掴んだあと、その裏付けが取れるかどうかで社内が割れます。報道の速さと正確さのどちらを取るかという問題が、感情論ではなく実務として描かれる。
堤真一と山崎努
現場の判断を担う男と、経営側の論理を体現する人物。この二人のやりとりが、この映画の背骨です。どちらの言い分にも理があるように作られています。
この映画について:地方紙の編集局が、あの事故の一週間をどう戦ったか。
事故そのものは、ほとんど画面に出てきません。描かれるのは編集局の中だけです。この徹底が正しい判断だったと思います。悲劇を再現するのではなく、それを伝えようとした人々の一週間を追うことで、別の緊張が生まれています。
同時に、これは組織の話でもあります。誰が決めるのか、責任は誰が取るのか、上の意向をどこまで飲むのか。会社で働いたことがある人ほど身につまされる作りです。
原田眞人の演出は情報量が多く、初見では聞き取れない台詞が大量にあります。これを臨場感と取るか、不親切と取るかで評価が分かれるところです。私は前者ですが、疲れるのは確かです。
山岳のパートが並行して描かれるのですが、こちらは比重が軽く、やや浮いています。編集局の密度が高すぎるせいでもあります。
この作品の良さ
- 事故そのものを描かず、報じる側に絞った判断
- 台詞を重ねる編集局の臨場感
- 報道の速さと正確さの対立を実務として描いた
- 組織で働くことの話としても読める
当サイトの評価
地方紙の編集局が、あの事故の一週間をどう戦ったか。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.3 |
| 映像美 | 4.0 |
| 音楽 | 3.9 |
| 演技 | 4.6 |
| 余韻 | 4.2 |
世間ではどう評価されているか
- 原作
- 横山秀夫 の小説
- 題材
- 1985 年の日航機墜落事故
- 公開
- 2008 年
元記者である横山秀夫の小説を原作に、原田眞人が監督した作品です。1985年の日航機墜落事故を、地元紙の編集局の側から描いています。
事故の描写そのものはほとんど登場せず、報道する側の一週間に焦点を絞った構成が特徴です。
こんな人におすすめ
- 組織の中の意思決定を描いた作品が好きな人
- 報道や新聞の仕事に興味がある人
- 情報量の多い会話劇に耐えられる人
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