DR. STRANGELOVE
洋画1964年コメディ1960年代キューブリック

博士の異常な愛情

重い題材を扱いながら、最初から最後までコメディです。この態度そのものが批評になっています。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
スタンリー・キューブリック
出演
ピーター・セラーズ(三役)、ジョージ・C・スコット、スターリング・ヘイドン
上映時間
95分
公開
1964年(アメリカ)

あらすじ(ネタバレなし)

アメリカ空軍のリッパー将軍が独断で、ソ連への核攻撃を命令します。撤回コードを知るのは彼だけで、しかも基地を封鎖して立てこもってしまいます。

ホワイトハウスの作戦室では、大統領と将軍と駐米ソ連大使が対応を協議します。しかしソ連には、攻撃を受けたら自動的に全人類を滅ぼす装置が既に完成していました。

ここが見どころ

ピーター・セラーズの三役

大統領、英空軍大佐、そして元ナチスの科学者。一人で三人を演じ分けることで、誰も彼もが同じ愚かさだと示されます。

作戦室のセット

巨大な円卓と、真上からの照明。権力の中枢を、真っ暗な部屋として描く美術が印象に残ります。

この映画について:核戦争を、全部ギャグにする。

核戦争を扱いながら、一度も深刻にならないというのがこの映画の方針です。登場人物は全員が真面目で、全員が愚か。その組み合わせだけで笑いが生まれます。

同時に、描かれている手続きの多くは実際の制度に基づいており、笑えなくなる瞬間があります。95分と短いので密度が高い。

難点は、冷戦の文脈を知らないと分かりにくいギャグがあることです。また、いま観るとやや理屈っぽく感じる場面もあります。

この作品の良さ

  • 核戦争を最後までコメディで通す態度
  • ピーター・セラーズの三役
  • 95分の密度

当サイトの評価

4.8/5.0

核戦争を、全部ギャグにする。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本5.0
映像美4.7
音楽4.5
演技5.0
余韻4.7

世間ではどう評価されているか

IMDb
8.0 /10
米アカデミー賞
4部門 ノミネート
評価
最高位 風刺映画の代表作

冷戦の緊張が最も高かった時期に公開されました。実際の核運用制度を取材したうえで作られており、風刺として非常に的確だと評価されています。

こんな人におすすめ

  • ブラックユーモアが好きな人
  • 冷戦期の作品に興味がある人
  • 短くて濃い映画を探している人

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