E.T.
子ども向けの名作として扱われがちですが、大人になってから観るとまったく違う顔が出てきます。特に母親と長男の描かれ方が効きます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- スティーヴン・スピルバーグ
- 脚本
- メリッサ・マシスン
- 出演
- ヘンリー・トーマス、ドリュー・バリモア、ロバート・マクノートン
- 音楽
- ジョン・ウィリアムズ
- 上映時間
- 115分
- 日本公開
- 1982年12月
あらすじ(ネタバレなし)
カリフォルニア郊外。父が家を出ていったばかりの一家に暮らす少年エリオットは、家の裏の森で不思議な生き物と出くわします。地球に取り残された宇宙からの来訪者でした。
エリオットは彼を家にかくまい、E.T.と呼んで兄と妹だけに打ち明けます。言葉を覚え、家の中を歩き回るE.T.。しかし彼は少しずつ弱っていき、同時に大人たちが少年の家に近づいてきます。
ここが見どころ
カメラの高さ
作中の多くのカットが子どもの目線の高さで撮られていて、大人はしばらく顔が映りません。世界が子どもの側からしか見えないという設計が徹底されています。
母親の描き方
夫が出ていったばかりの母親は、子どもの異変にずっと気づきません。責める描き方ではなく、余裕がないだけとして描かれる。この一線が、この映画を単純なファンタジーにしていません。
自転車と月
誰もが知っているあの場面。音楽が立ち上がるタイミングと、地面から離れる瞬間の高さの取り方が完璧で、何度観ても同じところで声が出ます。
この映画について:宇宙人の話ではなく、親の離婚を抱えた子どもの話。
この映画の中心にあるのは宇宙人ではなく、父親がいなくなった家です。エリオットがE.T.に強く執着するのは、また誰かがいなくなることに耐えられないからで、そう思って観ると全部の場面の意味が変わります。
うまいのは、その事情を一度も台詞で説明しないことです。夕食の場面のやり取りや、母親の泣き方だけで伝えてくる。子どもにも分かるように作られているのに、大人にしか見えない層があるという二重構造が見事です。
終盤の展開は感情のピークが連続するので、やや押しが強いと感じる人はいると思います。また政府側の大人たちは記号的な描かれ方で、そこだけ薄いのは事実です。
この作品の良さ
- 子どもの目線に徹した撮影設計
- 説明せずに家庭の事情を伝える脚本
- ジョン・ウィリアムズの音楽と映像の一致
当サイトの評価
宇宙人の話ではなく、親の離婚を抱えた子どもの話。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.6 |
| 映像美 | 4.5 |
| 音楽 | 5.0 |
| 演技 | 4.6 |
| 余韻 | 4.8 |
世間ではどう評価されているか
- IMDb
- 7.9 /10
- 米アカデミー賞
- 4冠 作曲賞ほか
- 当時
- 世界1位 歴代興行収入を更新
第55回アカデミー賞で作曲賞・録音賞・視覚効果賞・音響効果編集賞の4部門を受賞。公開時には『スター・ウォーズ』を抜いて世界歴代興行収入1位となりました。
スピルバーグ監督の作品の中でも、もっとも私的な題材を扱った一本と言われます。子ども時代の両親の離婚が下敷きになっていることは、監督自身が繰り返し語っています。
こんな人におすすめ
- 家族で観る1本を探している人
- 有名な場面だけ知っていて、本編は未見の人
- 大人になってから観返してみたい人
配信を探す
各サービスで「E.T.」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。