ファーザーTHE FATHER
洋画2020年ドラマ2020年代アンソニー・ホプキンス

ファーザー

構成の仕掛けが、そのまま主題になっている稀な作品です。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
フロリアン・ゼレール
脚本
ゼレール、クリストファー・ハンプトン
出演
アンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマン
製作国
イギリス・フランス
上映時間
97分
公開
2021年5月(日本)

あらすじ(ネタバレなし)

ロンドンのフラットで一人暮らしをする81歳のアンソニー。娘のアンが介護人を手配しようとしますが、彼は「必要ない」と拒みます。

ある日、見知らぬ男が居間に座っています。男は自分をアンの夫だと名乗り、ここは自分たちの家だと言います。

腕時計が消える。娘の顔が違う。壁の絵がなくなっている。何が起きているのか、彼にはもう分かりません。

ここが見どころ

セットの微細な変化

同じ部屋のはずが、少しずつ家具や色が変わっています。観客は気づかないうちに方向感覚を失います。

配役の入れ替え

同じ人物を別の俳優が演じる場面があります。認知症の主観を、映画の文法そのもので表現しています。

最後の場面

アンソニー・ホプキンスが崩れる数分間。この演技で、彼は83歳でアカデミー主演男優賞を受賞しました。

この映画について:認知症の内側から世界を見せる。観客も混乱する。

認知症を扱った映画は多くありますが、介護する側ではなく、される側の視点で一貫して作られた作品は稀です。これが本作の最大の価値です。

97分という長さも適切です。これ以上長いと、観客の負担が過剰になります。

難点は、混乱そのものが目的なので、整理された物語を求めると不満が残ることです。また、家族の介護経験がある人には非常につらい。

この作品の良さ

  • 主観を映画の文法で表現した構成
  • アンソニー・ホプキンスの演技
  • 97分という適切な長さ

当サイトの評価

4.4/5.0

認知症の内側から世界を見せる。観客も混乱する。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.7
映像美4.3
音楽4.2
演技5.0
余韻4.7

世間ではどう評価されているか

アカデミー賞
2部門 主演男優賞・脚色賞
IMDb
8.2 /10
記録
83歳 主演男優賞の最高齢受賞

第93回アカデミー賞で主演男優賞と脚色賞を受賞しました。アンソニー・ホプキンスは83歳での受賞で、主演男優賞の最高齢記録となりました。

原作は監督自身が書いた戯曲です。

こんな人におすすめ

  • 構成の仕掛けが好きな人
  • 演技を味わいたい人
  • 認知症について考えたい人

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