復讐するは我にありVENGEANCE IS MINE
邦画1979年犯罪1970年代今村昌平

復讐するは我にあり

重く、救いがなく、そして日本映画の中でも屈指の完成度を持つ一本です。人は選びます。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
今村昌平
原作
佐木隆三
出演
緒形拳、三國連太郎、小川真由美、倍賞美津子
上映時間
140分
公開
1979年4月

あらすじ(ネタバレなし)

1963年、逮捕された連続殺人犯・榎津巌。護送車の中から回想が始まります。詐欺と殺人を重ねながら、彼は78日間にわたって逃亡を続けていました。

敬虔なカトリック信者の父、その父に想いを寄せる妻。榎津の周囲には歪んだ関係が積み重なっています。しかし映画は、それを犯行の原因として説明することを拒みます。

ここが見どころ

動機を説明しない

生い立ちも家族関係も描かれますが、それが犯行の理由だとは一度も言いません。因果で片づけないことが、この作品の姿勢です。

緒形拳の芝居

人当たりが良く、口がうまく、そして何も感じていない。愛想の良さが空虚さの表現になっているという難しい芝居です。

この映画について:動機を説明しない。だから怖い。

犯罪ものにありがちな「なぜ彼はこうなったか」を、この映画は放棄します。説明できないものを説明しないまま提示するという選択が、そのまま作品の強度になっています。

今村昌平監督らしく、人間の生々しさが全面に出ています。性も暴力も食事も同じ密度で撮られる。

難点は、描写の強さと後味の悪さです。また140分と長く、人物が多い。安易には勧められませんが、日本映画の代表作のひとつであることは間違いありません。

この作品の良さ

  • 動機を説明しない姿勢
  • 緒形拳の芝居
  • 人間の生々しさを均一な密度で撮る演出

当サイトの評価

4.6/5.0

動機を説明しない。だから怖い。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.7
映像美4.5
音楽4.2
演技5.0
余韻4.8

世間ではどう評価されているか

キネマ旬報
1位 1979年 日本映画ベスト・テン
日本アカデミー賞
最優秀作品賞 第3回
IMDb
7.8 /10

キネマ旬報ベスト・テンで1位、日本アカデミー賞では最優秀作品賞を受賞しました。実際の連続殺人事件を基にした佐木隆三の同名小説が原作です。

こんな人におすすめ

  • 強い描写に耐えられる人
  • 犯罪ものを深く観たい人
  • 日本映画の代表作を押さえたい人

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