EVERYWHEREALL AT ONCE
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
コインランドリーを営む移民女性が、並行世界の自分の能力を借りて戦う。悪ふざけの密度と、母娘の話の真面目さが同居する。
143分。ほとんど何も起きませんが、映像で圧倒されます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
19世紀後半、デンマーク統治下のアイスランド。若い牧師ルーカスが、教会を建てるために派遣されます。彼は湿板写真の機材を持参しています。
船で近くまで行けるにもかかわらず、彼は「土地を知るため」と称して陸路を選びます。案内人は、デンマーク語を話そうとしない現地の男ラグナルです。
河川、火山、氷、霧。旅は想定よりはるかに過酷で、ルーカスの信仰も体力も削られていきます。
正方形に近い比率で、四隅が丸くなっています。19世紀の写真乾板を模しています。
1頭の馬が朽ちていく過程を、時間を飛ばして見せる一連。この映画の自然観が凝縮されています。
誇張のない実景。人間がどれだけ小さいかが、構図で示されます。
植民地支配の話でもあります。デンマーク人の牧師が現地の言葉を学ばず、それでも土地を導こうとするという構図が全編に通っています。
映像の力は圧倒的です。ただし、物語としての起伏はほとんどありません。
難点は143分の長さと、テンポの遅さです。人を選びます。
19世紀のアイスランド。教会を建てに来た牧師が、風景に負ける。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.0 |
| 映像美 | 5.0 |
| 音楽 | 4.2 |
| 演技 | 4.3 |
| 余韻 | 4.5 |
2022年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で上映されました。
画面の形は19世紀の写真乾板を模しており、四隅が丸く処理されています。
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