ハウルの動く城
呪いで90歳の老婆にされた少女が、動く城で暮らし始める。物語の整理は決してよくないが、動く城の造形と久石譲のワルツだけで観る価値がある。
『たそがれ清兵衛』とほぼ同じ手触りです。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
幕末の海坂藩。下級武士の片桐宗蔵は、母と妹と暮らしています。妹が嫁ぎ、家には彼一人になります。
かつて奉公人として働いていたきえが、嫁ぎ先で酷使されていることを知った宗蔵は、彼女を連れ戻します。しかし身分が違うため、そばに置き続けることはできません。
同じ頃、藩に反逆の疑いをかけられた同門の狭間が脱走します。宗蔵は、彼を討つよう命じられます。
武士たちが慣れない西洋式の演習をする一連。時代が変わっていく感覚を、喜劇として見せます。
「鬼の爪」が何であるかは終盤で明かされます。剣術の話が、そのまま倫理の話になります。
身分差を越えられない関係を、抑えた演技で見せます。
三部作の中では中間的な位置づけです。『たそがれ清兵衛』ほどの締まりはありませんが、時代の転換期の描写はこちらのほうが濃い。
秘剣の使い方が、単なる必殺技ではなく倫理的な選択として描かれる点が良い。
難点は132分の長さと、恋愛パートと討手の話がやや分離していることです。
身分違いの恋と、使いたくない秘剣。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.1 |
| 映像美 | 4.3 |
| 音楽 | 4.1 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 4.2 |
日本アカデミー賞で複数部門を受賞し、2005年のベルリン国際映画祭に出品されました。
『たそがれ清兵衛』『武士の一分』と並ぶ、山田洋次の時代劇三部作の第2作です。
各サービスで「隠し剣 鬼の爪」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。