DESTINY鎌倉ものがたり
邦画2017年ファンタジー2010年代日本

DESTINY 鎌倉ものがたり

邦画のファンタジーは失敗しやすいのですが、これは美術に予算を投じ切ったことで成立しています。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
山崎貴
原作
西岸良平『鎌倉ものがたり』
出演
堺雅人、高畑充希、堤真一、安藤サクラ、中村玉緒
製作国
日本
公開
2017年
ジャンル
ファンタジー/恋愛

あらすじ(ネタバレなし)

鎌倉に暮らすミステリ作家の一色正和は、若い妻の亜紀子を迎えます。彼女がまず驚いたのは、この街には魔物や妖怪、死者までもが当たり前に混ざって暮らしているという事実でした。

正和は作家業のかたわら、心霊がらみの事件を解決する仕事もしています。夫婦は少しずつ、この不思議な街での生活に馴染んでいきます。

しかしある出来事をきっかけに、亜紀子の魂が黄泉の国へ連れ去られてしまいます。正和は江ノ電に乗って、生者が行くことのできないその場所へ向かうことを決意します。

ここが見どころ

黄泉の国の美術

この映画の予算の大半はここに使われています。日本映画のファンタジー美術としては屈指の物量で、宮崎駿作品を思わせる密度があります。

堺雅人と高畑充希

淡々とした夫と、まっすぐな妻。派手な芝居をしない二人の組み合わせが、荒唐無稽な設定を地に足のついたものにしています。

江ノ電が黄泉へ向かう

実在の路線が、そのまま死者の世界への乗り物になる。日常の風景を少しずらすだけで異界を作るという、この作品の方法が最も出ている場面です。

この映画について:鎌倉には、魔物も幽霊も普通に住んでいる。

前半と後半でまったく違う映画になります。前半は鎌倉での日常と小さな事件が並ぶ人情譚、後半は妻を取り戻すための冒険譚。この構造をちぐはぐと取る人は多いと思います。

私はこの落差込みで好きですが、前半の緩やかな挿話が好きだった人ほど、後半に置いていかれるはずです。逆に冒険を期待して観ると、前半が長く感じられます。

山崎貴はVFXを得意とする監督で、本作でもその強みが出ています。ただ、それゆえに物語より画で押し切ってしまう場面があるのも確かです。

原作は長期連載の漫画で、映画は独自の再構成をしています。原作既読者からは選び方への異論もありました。ただ、映画単体としては筋が通っています。

この作品の良さ

  • 黄泉の国の美術の物量
  • 日常の風景を少しずらして異界を作る方法
  • 堺雅人と高畑充希の落ち着いた芝居
  • 荒唐無稽な設定を地に足のついたものにした演出

当サイトの評価

3.8/5.0

鎌倉には、魔物も幽霊も普通に住んでいる。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本3.7
映像美4.2
音楽4.0
演技3.9
余韻3.8

世間ではどう評価されているか

原作
西岸良平 の漫画
監督
山崎貴
公開
2017

西岸良平の長期連載漫画『鎌倉ものがたり』を原作とする作品です。監督は『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴。

日本アカデミー賞では最優秀美術賞・最優秀視覚効果賞などを受賞しており、美術面での評価が高い作品です。

こんな人におすすめ

  • 邦画のファンタジーを観たい人
  • 鎌倉・江ノ電が好きな人
  • 前後半で作風が変わることを許容できる人

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