孤狼の血
邦画2018年サスペンス2010年代日本

孤狼の血

この手の映画はもう作られないと思っていたので、公開時は驚きました。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
白石和彌
原作
柚月裕子『孤狼の血』
出演
役所広司、松坂桃李、江口洋介、真木よう子、竹野内豊
製作国
日本
公開
2018年5月12日
受賞
第42回日本アカデミー賞 4部門受賞

あらすじ(ネタバレなし)

1988年、広島県の架空都市・呉原。暴力団の抗争が激化する中、県警の刑事・大上章吾は、暴力団と癒着しているとしか思えない捜査手法で知られていました。

そこへ配属されたのが、東大出のエリート新人・日岡秀一です。彼には、大上の不正を内偵するという裏の任務が与えられていました。

大上に振り回されながら現場を回るうち、日岡は彼のやり方の理由を知っていきます。法と暴力の境界が曖昧な街で、何を守るために何を犠牲にするのか。物語は思わぬ形で転がっていきます。

ここが見どころ

役所広司の大上

下品で、強引で、それでいて筋が通っている。善悪の判定を観客に許さない造形で、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞しました。この俳優の代表作の一つです。

暴力描写の容赦のなさ

白石和彌の演出は、暴力を格好よく見せません。汚くて、痛くて、後に残る。養豚場の場面など、観たあとに思い出したくない類の描写があります。

松坂桃李の変化

潔癖なエリートとして始まり、物語を通じて変わっていきます。最終盤の表情が、この映画の着地点です。助演男優賞受賞。

この映画について:『仁義なき戦い』の系譜を、令和目前に本気でやる。

『仁義なき戦い』の直系という売り方をされた作品ですが、実際には構造が違います。あちらが群像劇だったのに対し、本作は師弟関係の話に絞られている。誰が誰を継ぐのか、という一点が軸です。

白石和彌は、社会の周縁にいる人間を撮り続けてきた監督です。本作でも、警察・暴力団・その周辺の女性たちが、どれも一枚岩でなく描かれます。誰にも完全な正当性を与えないという姿勢が一貫しています。

娯楽作としても良く出来ていて、テンポが速く、2時間半近くあるのに中だるみがありません。方言の応酬も心地よい。

ただ、暴力と性の描写はかなり強いので、人を選びます。R15+相当の内容で、苦手な人ははっきり避けたほうがいい作品です。

この作品の良さ

  • 役所広司による、善悪を判定させない造形
  • 暴力を格好よく見せない演出
  • 師弟関係に絞った構造
  • 2時間半を中だるみさせないテンポ

当サイトの評価

4.3/5.0

『仁義なき戦い』の系譜を、令和目前に本気でやる。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.3
映像美4.2
音楽4.0
演技5.0
余韻4.2

世間ではどう評価されているか

日本アカデミー賞
4 部門受賞(第42回)
主演男優賞 役所広司
助演男優賞 松坂桃李

第42回日本アカデミー賞で、役所広司が最優秀主演男優賞、松坂桃李が最優秀助演男優賞を受賞するなど4部門を制しました。

原作は柚月裕子の同名小説。「警察小説×『仁義なき戦い』」と評された作品で、続編も製作されています。

こんな人におすすめ

  • 『仁義なき戦い』が好きな人
  • 暴力描写に耐性がある人
  • 役所広司の演技を観たい人

配信を探す

各サービスで「孤狼の血」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。