ROMAN HOLIDAY
洋画1953年恋愛1950年代古典

ローマの休日

古典として有名すぎて、かえって未見の人が多い作品です。身構える必要はまったくありません。とても軽く、そして最後だけ重い。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
ウィリアム・ワイラー
出演
オードリー・ヘプバーン、グレゴリー・ペック、エディ・アルバート
脚本
ダルトン・トランボ(当時は別名義)
上映時間
118分
日本公開
1954年4月

あらすじ(ネタバレなし)

ヨーロッパ各国を公式訪問中のある国の王女アンは、分刻みの日程と自由のない生活に耐えきれず、ローマ滞在中の夜、大使館を抜け出してしまいます。

鎮静剤が効いて路上で眠り込んだ彼女を拾ったのは、アメリカ人記者のジョーでした。彼は翌朝、その娘が王女だと気づきます。特ダネを狙うジョーは、身分を隠したまま彼女をローマ観光へ連れ出します。

ここが見どころ

ローマの実景

スペイン広場、真実の口、コロッセオ。スタジオではなく実際のローマで撮ったことが、この映画を旅の記録のようにしています。

真実の口の場面

有名なあのやり取りは、相手役の即興だったと言われています。オードリー・ヘプバーンの驚きが演技ではないという説があるほど自然です。

記者会見のラスト

最後の数分、二人は言葉ではほとんど何も伝えません。視線と間だけで別れを成立させる。ここがこの映画の全部です。

この映画について:たった一日の話。だから、終わり方が効く。

話は驚くほど単純で、身分を隠した王女が一日だけ自由に過ごす、それだけです。単純だからこそ、最後の選択が効きます。二人は結ばれず、それぞれの場所に戻る。恋愛映画としては珍しいくらい潔い。

オードリー・ヘプバーンはこれが実質的な出世作で、主演女優賞を受賞しています。ただ、いま観て感心するのはグレゴリー・ペックのほうかもしれません。特ダネを諦める過程が、台詞なしで積み上がっていきます。

70年前の作品なので、テンポや音楽の付け方に古さは感じます。また白黒であることが苦手な人はいるはずです。それでも118分は軽く、古典への入り口としてこれ以上ないと思います。

この作品の良さ

  • ローマの実景を使った撮影
  • 言葉に頼らないラストの演出
  • 古典としては非常に軽く、入りやすい

当サイトの評価

4.7/5.0

たった一日の話。だから、終わり方が効く。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.6
映像美4.5
音楽4.4
演技5.0
余韻4.8

世間ではどう評価されているか

米アカデミー賞
3冠 主演女優賞・脚本賞・衣装デザイン賞
IMDb
8.0 /10
脚本
ダルトン・トランボ 当時は名を出せなかった

第26回アカデミー賞でオードリー・ヘプバーンが主演女優賞を受賞し、脚本賞と衣装デザイン賞もあわせて3部門を獲得しました。

脚本を実際に書いたダルトン・トランボは、当時いわゆる赤狩りによって業界から追放されており、名前を出すことができませんでした。彼の名誉が回復され、正式にクレジットされたのは没後のことです。

こんな人におすすめ

  • 古い映画の1本目を探している人
  • きっぱりした結末が好きな人
  • ローマに行ってみたい人

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