IN THE RAIN
ローマの休日
古典として有名すぎて、かえって未見の人が多い作品です。身構える必要はまったくありません。とても軽く、そして最後だけ重い。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- ウィリアム・ワイラー
- 出演
- オードリー・ヘプバーン、グレゴリー・ペック、エディ・アルバート
- 脚本
- ダルトン・トランボ(当時は別名義)
- 上映時間
- 118分
- 日本公開
- 1954年4月
あらすじ(ネタバレなし)
ヨーロッパ各国を公式訪問中のある国の王女アンは、分刻みの日程と自由のない生活に耐えきれず、ローマ滞在中の夜、大使館を抜け出してしまいます。
鎮静剤が効いて路上で眠り込んだ彼女を拾ったのは、アメリカ人記者のジョーでした。彼は翌朝、その娘が王女だと気づきます。特ダネを狙うジョーは、身分を隠したまま彼女をローマ観光へ連れ出します。
ここが見どころ
ローマの実景
スペイン広場、真実の口、コロッセオ。スタジオではなく実際のローマで撮ったことが、この映画を旅の記録のようにしています。
真実の口の場面
有名なあのやり取りは、相手役の即興だったと言われています。オードリー・ヘプバーンの驚きが演技ではないという説があるほど自然です。
記者会見のラスト
最後の数分、二人は言葉ではほとんど何も伝えません。視線と間だけで別れを成立させる。ここがこの映画の全部です。
この映画について:たった一日の話。だから、終わり方が効く。
話は驚くほど単純で、身分を隠した王女が一日だけ自由に過ごす、それだけです。単純だからこそ、最後の選択が効きます。二人は結ばれず、それぞれの場所に戻る。恋愛映画としては珍しいくらい潔い。
オードリー・ヘプバーンはこれが実質的な出世作で、主演女優賞を受賞しています。ただ、いま観て感心するのはグレゴリー・ペックのほうかもしれません。特ダネを諦める過程が、台詞なしで積み上がっていきます。
70年前の作品なので、テンポや音楽の付け方に古さは感じます。また白黒であることが苦手な人はいるはずです。それでも118分は軽く、古典への入り口としてこれ以上ないと思います。
この作品の良さ
- ローマの実景を使った撮影
- 言葉に頼らないラストの演出
- 古典としては非常に軽く、入りやすい
当サイトの評価
たった一日の話。だから、終わり方が効く。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.6 |
| 映像美 | 4.5 |
| 音楽 | 4.4 |
| 演技 | 5.0 |
| 余韻 | 4.8 |
世間ではどう評価されているか
- 米アカデミー賞
- 3冠 主演女優賞・脚本賞・衣装デザイン賞
- IMDb
- 8.0 /10
- 脚本
- ダルトン・トランボ 当時は名を出せなかった
第26回アカデミー賞でオードリー・ヘプバーンが主演女優賞を受賞し、脚本賞と衣装デザイン賞もあわせて3部門を獲得しました。
脚本を実際に書いたダルトン・トランボは、当時いわゆる赤狩りによって業界から追放されており、名前を出すことができませんでした。彼の名誉が回復され、正式にクレジットされたのは没後のことです。
こんな人におすすめ
- 古い映画の1本目を探している人
- きっぱりした結末が好きな人
- ローマに行ってみたい人
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