西鶴一代女THE LIFE OF OHARU
西鶴一代女
救いはありません。それでも、この撮影と田中絹代の芝居は観る価値があります。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- 溝口健二
- 原作
- 井原西鶴
- 出演
- 田中絹代、三船敏郎、菅井一郎
- 上映時間
- 148分
- 公開
- 1952年4月
あらすじ(ネタバレなし)
江戸時代。御所に仕えていたお春は、身分の低い侍との恋が露見し、一家ともども都を追われます。
側室、遊女、行商人の妻、そして最下層の夜鷹へ。彼女は落ちるところまで落ちていきます。物語は老いたお春が、羅漢像を見上げながら過去を思い出す形で語られます。
ここが見どころ
長回しの移動撮影
カットを割らずに人物を追い続けます。逃げ場のなさが、そのまま撮影の方法として現れています。
顔を映さない
感情が最も高まる場面ほど、後ろ姿や遠景で撮られます。泣き顔で説明しないという方針です。
この映画について:一人の女性が、身分を落とし続けるだけの2時間。
とにかく落ちていくだけの話です。お春に落ち度はほとんどなく、社会の側が彼女を落としていく。この一方向性が主題です。
田中絹代が20代から老年までを演じており、身体の使い方だけで年月を示します。
難点は148分という長さと、救いのなさです。同じことが繰り返されるという印象を持つ人もいると思います。
この作品の良さ
- 長回しによる逃げ場のなさ
- 顔を映さない演出
- 田中絹代の演じ分け
当サイトの評価
4.8/5.0
一人の女性が、身分を落とし続けるだけの2時間。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.9 |
| 映像美 | 5.0 |
| 音楽 | 4.4 |
| 演技 | 5.0 |
| 余韻 | 4.9 |
世間ではどう評価されているか
- ヴェネツィア
- 国際賞 1952年
- IMDb
- 8.1 /10
- 評価
- 最高位 溝口の到達点とされる
1952年のヴェネツィア国際映画祭で国際賞を受賞しました。溝口健二監督自身が最も力を注いだ作品として知られています。
こんな人におすすめ
- 日本映画の古典を深く追いたい人
- 救いのない話に耐えられる人
- 長回しの撮影に興味がある人
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