THE SHINING
洋画1980年ホラー1980年代キューブリック

シャイニング

ホラーが苦手な人でも観られる、と言われることがありますが、その言い方は正確ではありません。別種の怖さがあります。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
スタンリー・キューブリック
原作
スティーヴン・キング
出演
ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド
上映時間
119分(北米公開版は144分)
日本公開
1980年12月

あらすじ(ネタバレなし)

冬季は雪で閉鎖される山中のホテル、オーバールック。作家志望のジャックは、その冬の管理人として、妻ウェンディと息子ダニーとともに住み込むことになります。

ダニーには「かがやき」と呼ばれる能力があり、このホテルで過去に起きたことを断片的に見てしまいます。雪で外部と隔絶されるにつれ、ジャックの様子は少しずつおかしくなっていきます。

ここが見どころ

左右対称の構図

廊下も部屋も、ほとんどが中央から真っ二つになる構図で撮られています。整いすぎていることが、そのまま不安になるという珍しい作り方です。

三輪車の移動撮影

ダニーが三輪車で廊下を走る場面。カメラが床すれすれを滑らかに追い、絨毯と床板で音が変わる。音だけで空間の広さを感じさせます。

怖がらせ方が独特

驚かす仕掛けは少なく、代わりに説明されないものを平然と画面に置く。意味が分からないまま気持ちが悪い、という状態が続きます。

この映画について:怖がらせ方が、ホラーの作法から外れている。

ホラー映画の文法から意図的に外れています。暗闇はほとんどなく、多くの場面は明るい。音楽も派手に脅かさない。それなのに落ち着かないのは、構図と音が常にわずかに不自然だからです。

原作者スティーヴン・キングがこの映画化を長く批判していたことは有名です。原作では父親の内面の葛藤が中心ですが、映画のジャックは最初から壊れて見える。家族の物語を、幽霊屋敷の物語に置き換えているのが改変の要点です。

解釈が定まらない映画で、あの部屋の意味も、最後の写真の意味も説明されません。そこを楽しめるかどうかで評価が割れます。あと、妻ウェンディの扱いは撮影現場の逸話も含めて現在では批判的に語られます。

この作品の良さ

  • 構図と音だけで不安を作る演出
  • 説明しないことによる気持ち悪さ
  • 移動撮影の滑らかさ

当サイトの評価

4.6/5.0

怖がらせ方が、ホラーの作法から外れている。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.3
映像美5.0
音楽4.9
演技4.8
余韻4.8

世間ではどう評価されているか

IMDb
8.4 /10
公開時
賛否 原作者は批判的だった
現在
定番 ホラーの代表作

公開当時の評価は割れており、原作者スティーヴン・キングは長年この映画化に否定的でした。評価が固まったのは後年のことです。

現在ではホラー映画の代表作として扱われ、解釈をめぐる考察が絶えません。作品の解釈だけを扱ったドキュメンタリー映画が作られたほどです。

こんな人におすすめ

  • 驚かすタイプではないホラーが観たい人
  • 構図や画面設計に興味がある人
  • 解釈の余地を楽しめる人

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