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Facebook創業の物語。IT起業の映画かと思って観ると、実際に描かれているのは、うまくいけばいくほど孤立していく人間の話。台詞の速度が異常。
結末を知ってから観ると、まったく別の映画になります。そういう作りをした作品は多くありません。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
1954年。連邦保安官のテディ・ダニエルズは、相棒とともにボストン沖の孤島へ向かいます。島にあるのは、犯罪を犯した精神障害者を収容する施設でした。
調査の目的は、患者の一人が施設内から忽然と消えた事件です。厳重な監視の中、どうやって脱走したのか。しかし職員たちの証言は要領を得ず、責任者は非協力的でした。
嵐で島に閉じ込められ、調査が進むにつれ、テディ自身の過去と現在の境目が曖昧になっていきます。彼はこの島に、別の目的でも来ていました。
初見では気づきにくい不自然な点が、全編に散りばめられています。2回目に観ると、ほぼすべての場面が別の意味を持って見える。この作り込みが本作の価値です。
嵐、断崖、灯台。物理的に出られない場所として島が設計されています。1950年代という時代設定も、精神医療の扱いという主題に結びついています。
見ている側が主人公を信頼できるかどうかが、この映画の鍵になります。信じたくなる演技と、どこか噛み合わない挙動を同時に出すという、難しいことをしています。
仕掛けのある作品なので、内容には踏み込みません。ただ、この映画を「どんでん返しもの」として消費するのはもったいないとは書いておきます。仕掛けは目的ではなく、主題を成立させるための手段です。
スコセッシは元々、古い映画への目配せが多い監督です。本作でも1940〜50年代のフィルム・ノワールやホラーの文法が意図的に使われていて、大げさな音楽や照明はその引用として機能しています。ここを「古臭い」と取るか「意図的」と取るかで印象が変わります。
終盤の展開後、最後の台詞が非常によく出来ています。この一言で、それまでの解釈がもう一段動く。原作にはない映画独自の処理で、脚色として見事です。
暗い作品なので、気楽には観られません。精神医療の描写に敏感な人は注意が必要です。
閉鎖された島の精神科病院で、患者が一人消えた。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.3 |
| 映像美 | 4.6 |
| 音楽 | 4.5 |
| 演技 | 4.6 |
| 余韻 | 4.4 |
『ミスティック・リバー』と同じくデニス・ルヘインの小説を原作とし、マーティン・スコセッシが監督した作品です。
結末を知ったうえでの再鑑賞を前提とした作りになっており、公開後も繰り返し議論の対象になっています。
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