タクシードライバー
有名な鏡の場面だけが記号として流通していますが、本編はもっと静かで、もっと不穏です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- マーティン・スコセッシ
- 脚本
- ポール・シュレイダー
- 出演
- ロバート・デ・ニーロ、ジョディ・フォスター、シビル・シェパード
- 音楽
- バーナード・ハーマン
- 上映時間
- 113分
- 日本公開
- 1976年9月
あらすじ(ネタバレなし)
ベトナム戦争から帰還したトラヴィスは、不眠症を抱えたまま、ニューヨークで夜間のタクシー運転手として働き始めます。街の汚れと退廃を毎晩見ながら、彼は誰とも関係を築けません。
選挙運動員のベッツィに一目惚れするものの、初デートでポルノ映画館に連れて行くという致命的な失敗をして拒絶されます。行き場を失ったトラヴィスは銃を買い揃え、街を「掃除する」ことを考え始めます。
ここが見どころ
内面が独白で流れる
日記の朗読として彼の思考が流れ続けます。それが少しずつ論理を失っていくのに、本人は最後まで自覚しない。
バーナード・ハーマンの遺作
サックスの甘いテーマと、不穏なドラム。ロマンチックな音が、危険な男に当てられているという不一致が効いています。
この映画について:誰とも繋がれない男の、独り言だけで進む113分。
この映画が扱っているのは、社会から切り離された男が、自分の孤独を「正義」だと思い込んでいく過程です。トラヴィスの動機は最後まで筋が通っていません。それが怖い。
終盤の展開と、その後の扱いは非常に居心地が悪い。彼のしたことがどう受け取られたかを見せることで、映画は明確に皮肉を効かせています。
難点は、テンポが遅く、事件がなかなか起きないことです。また当時13歳だったジョディ・フォスターの役柄を含め、扱っている題材は重く、人を選びます。
この作品の良さ
- 独白によって内面の崩れを見せる構成
- バーナード・ハーマンの音楽
- ロバート・デ・ニーロの芝居
当サイトの評価
誰とも繋がれない男の、独り言だけで進む113分。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.8 |
| 映像美 | 4.9 |
| 音楽 | 4.9 |
| 演技 | 5.0 |
| 余韻 | 4.9 |
世間ではどう評価されているか
- カンヌ
- パルムドール 1976年
- IMDb
- 8.2 /10
- 評価
- 定番 1970年代アメリカ映画の代表作
1976年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しました。アメリカン・ニューシネマの到達点として語られ、その後の映画に与えた影響も非常に大きい作品です。
こんな人におすすめ
- 重い人間ドラマが平気な人
- 1970年代のアメリカ映画に興味がある人
- 『ジョーカー』の元になった空気を知りたい人
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