天気の子WEATHERING WITH YOU
邦画2019年アニメ2010年代新海誠

天気の子

前作と比べられて損をしている作品です。ただ、主人公の最後の選択という一点で、こちらのほうが強いとも言えます。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

原作・脚本・監督
新海誠
音楽
RADWIMPS
作画監督
田村篤
声の出演
醍醐虎汰朗、森七菜、小栗旬
上映時間
114分
公開
2019年7月

あらすじ(ネタバレなし)

離島から家出して東京に出てきた高校生の帆高は、住む場所も仕事もなく、雨の降り続く街をさまよいます。やがて怪しげなオカルト雑誌のライター・須賀の事務所に転がり込みます。

そこで彼は、祈るだけで空を晴れにできる少女・陽菜と出会います。二人は「晴れ女」の仕事を始め、雨に濡れた東京に束の間の青空を売ります。しかしその力には、彼女自身が消えていくという代償がありました。

ここが見どころ

雨の描写

アスファルトに跳ねる雨、傘、水たまり、ビルの反射。降り続ける雨だけで114分持たせていると言っていいほど、水の作画に力が入っています。

東京の実在感

歌舞伎町、代々木、田端。実在の場所が具体的に描かれ、しかも観光地としてではなく「金のない人間が歩く街」として出てきます。

最後の選択

ここが賛否の核です。主人公は世界の側を選びません。その結果を引き受けたうえで、映画は彼を否定しない。ここで拒否反応が出る人と、強く肯定する人に割れます。

この映画について:世界と彼女、どちらかを選べと言われて、迷わないほう。

『君の名は。』と同じ作りに見えますが、結論は正反対です。前作が「世界も彼女も救う」なら、本作は「世界を犠牲にして彼女を選ぶ」。そして映画はそれを咎めません。ここに賛否が集中しました。

私はこの選択を高く評価しています。都合よく両方を救わないこと、そして東京が沈んだままで終わることが、この映画を単なる恋愛ものにしていない。大人たちが「もともと東京は海だった」と言って受け入れる場面も含めて、突き放し方が誠実です。

弱点もあります。前半の帆高の行動は共感しにくく、拳銃の扱いなど強引な展開もある。また、RADWIMPSの曲を要所で流す構成が前作の反復に見えるという指摘も、その通りだと思います。

この作品の良さ

  • 雨と水の作画の質
  • 世界より個人を選ぶという結論の引き受け方
  • 金のない側から見た東京の描写

当サイトの評価

4.2/5.0

世界と彼女、どちらかを選べと言われて、迷わないほう。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.1
映像美4.9
音楽4.6
演技4.1
余韻4.2

世間ではどう評価されているか

国内興行収入
141 億円
IMDb
7.5 /10
評価
賛否 結末をめぐって割れた

国内興行収入141億円を記録し、前作『君の名は。』には及ばないものの大ヒットとなりました。

結末をめぐって公開当時から議論が起きた作品です。前作の成功のあとで、あえて観客を選ぶ結論を出したという点で、監督の作家性がはっきり出た一本だと思います。

こんな人におすすめ

  • 割り切れない結末が好きな人
  • 新海誠作品を順に観たい人
  • 雨の映像を浴びたい人

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