EVERYWHEREALL AT ONCE
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
コインランドリーを営む移民女性が、並行世界の自分の能力を借りて戦う。悪ふざけの密度と、母娘の話の真面目さが同居する。
事件そのものは描かれません。議論だけの映画です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
2010年、外部と隔絶した宗教共同体。女性たちが眠っている間に襲われるという事件が、長年にわたって繰り返されてきました。
犯人は男性の住人たちでした。逮捕された彼らの保釈金を集めるため、男たちは町へ出かけています。戻るまで二日。
残された女性たちは、納屋に集まります。選択肢は三つ。何もしない、戦う、去る。彼女たちは読み書きができないため、議事録は男性の教師が取ります。
感情論と信仰と現実の折り合いを、一つずつ検討していきます。結論に至る過程そのものが物語です。
ほぼモノクロに近い色調。納屋の中の閉塞感と、外の光の対比が効いています。
議論の周りで遊ぶ子どもたち。この決断が誰のためのものかが、常に画面にあります。
実際に起きた事件を下敷きにしていますが、原作は「これは事実への女性たちの応答である」という立場を取っています。
事件の描写がほとんどないのが重要です。被害を再現せず、その後をどう生きるかだけを扱っています。
難点は、会話劇のため退屈に感じる人がいることと、人物の描き分けがやや難しいことです。
納屋の中で、女たちが二日かけて話し合う。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.4 |
| 映像美 | 4.2 |
| 音楽 | 4.4 |
| 演技 | 4.7 |
| 余韻 | 4.4 |
第95回アカデミー賞で脚色賞を受賞し、作品賞にもノミネートされました。
原作はミリアム・トウズの小説で、実際に起きた事件を下敷きにしています。
各サービスで「ウーマン・トーキング 私たちの選択」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。