アデル、ブルーは熱い色
作品の評価と、制作過程の問題を分けて考える必要がある一本です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- アブデラティフ・ケシシュ
- 原作
- ジュリー・マロ
- 出演
- アデル・エグザルコプロス、レア・セドゥ
- 製作国
- フランス
- 上映時間
- 179分
- 公開
- 2014年4月(日本)
あらすじ(ネタバレなし)
高校生のアデルは、文学が好きで、将来は教師になりたいと漠然と考えています。同級生との恋はうまくいきません。
ある日、街ですれ違った青い髪の女性エマが、彼女の頭から離れなくなります。美術学生である彼女との出会いが、アデルの人生を変えます。
二人は暮らし始めます。しかし、育ちも、目指すものも、話す言葉も違いました。時間とともに、その差は埋めがたくなっていきます。
ここが見どころ
顔のクローズアップ
全編を通して、俳優の顔がほぼ画面いっぱいに映されます。食べる、泣く、眠る。表情の変化だけで3時間を持たせます。
階級の描写
二つの家庭の食卓の場面。出される料理と会話の内容だけで、埋まらない差が示されます。
カフェの再会
終盤、二人が数年ぶりに会う場面。演技の密度が最も高い箇所です。
この映画について:出会いから別れまで、数年間を3時間かけて。
恋愛映画としての完成度は非常に高い。とくに「なぜ別れたのか」を、性格の不一致ではなく階級と文化資本の差として描いた点が優れています。
一方で、この作品は撮影現場の過酷さについて、主演二人が公に問題を提起したことでも知られます。性的な場面の撮り方への批判もあります。作品を評価するときに、この点は切り離せません。
難点は179分という長さと、上記の問題です。
この作品の良さ
- 表情だけで持たせる演出
- 階級差の描き方
- 俳優二人の演技
当サイトの評価
出会いから別れまで、数年間を3時間かけて。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.0 |
| 映像美 | 4.2 |
| 音楽 | 3.8 |
| 演技 | 5.0 |
| 余韻 | 4.5 |
世間ではどう評価されているか
- カンヌ
- パルムドール 2013年
- IMDb
- 7.7 /10
- 原作
- バンド・デシネ ジュリー・マロ
2013年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しました。審査員長スピルバーグの提案により、監督と主演二人の三名に授与されたことでも知られます。
その後、主演俳優らが撮影現場の労働環境について公に問題提起を行い、議論となりました。
こんな人におすすめ
- 長尺の恋愛映画に耐えられる人
- 演技を味わいたい人
- 制作背景も含めて考えたい人
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