キャロルCAROL
洋画2015年恋愛2010年代トッド・ヘインズ

キャロル

台詞よりも、目線と沈黙を追ってください。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
トッド・ヘインズ
原作
パトリシア・ハイスミス
撮影
エドワード・ラックマン
音楽
カーター・バーウェル
出演
ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ
製作国
イギリス・アメリカ
上映時間
118分
公開
2016年2月(日本)

あらすじ(ネタバレなし)

1952年、ニューヨーク。百貨店の玩具売り場で働くテレーズは、写真家を志しながらも、自分が何をしたいのかよく分かっていません。

クリスマス前の売り場に、上品な身なりの女性キャロルが現れます。人形を買った彼女は、手袋を置き忘れていきます。

テレーズが手袋を送り返したことから、二人は会うようになります。しかしキャロルは離婚調停中で、娘の親権をめぐる争いの最中でした。

ここが見どころ

16mmフィルムの質感

粒子の粗い映像と、窓ガラス越しの構図が多用されます。「見ている/見られている」関係が、画面設計に組み込まれています。

最後のカット

レストランで顔を上げる一瞬。台詞なしで映画が終わる、屈指の幕切れです。

カーター・バーウェルの音楽

反復する短い旋律。感情を説明せず、ただ持続させます。

この映画について:1950年代のニューヨーク。手袋を一組、置き忘れる。

この映画は、感情をほとんど言葉にしません。肩に置かれた手、車の窓越しの視線、電話の沈黙。それだけで関係の変化が伝わります。

1950年代という設定が単なる背景ではなく、二人が失うものの重さとして機能しています。とくに親権をめぐる争いの描写は容赦がない。

難点は、テンポが非常に遅いこと。刺激を求めると退屈です。

この作品の良さ

  • 視線と間による演出
  • 16mmの映像の質感
  • 最後のカット

当サイトの評価

4.3/5.0

1950年代のニューヨーク。手袋を一組、置き忘れる。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.3
映像美4.8
音楽4.6
演技4.7
余韻4.6

世間ではどう評価されているか

カンヌ
女優賞 ルーニー・マーラ
アカデミー賞
6部門 ノミネート
IMDb
7.2 /10

2015年のカンヌ国際映画祭でルーニー・マーラが女優賞を受賞しました。アカデミー賞では6部門にノミネートされています。

原作はパトリシア・ハイスミスが1952年に別名義で発表した小説『The Price of Salt』です。

こんな人におすすめ

  • 静かな恋愛映画が好きな人
  • 画面設計を味わいたい人
  • 1950年代の空気に浸りたい人

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