PERFECT DAYS
ほとんど何も起きません。それでも観終わったあとに長く残る、そういう種類の一本です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- ヴィム・ヴェンダース
- 脚本
- 高崎卓馬
- 出演
- 役所広司、柄本時生、中野有紗、田中泯
- 製作国
- 日本・ドイツ
- 上映時間
- 124分
- 公開
- 2023年12月
あらすじ(ネタバレなし)
東京・渋谷区。平山は、公衆トイレの清掃員として働いています。夜明け前に起き、植木に水をやり、缶コーヒーを買い、古いカセットテープを聴きながら車を走らせる。
仕事を終えれば銭湯に行き、なじみの店で一杯飲み、本を読んで眠る。毎日がほとんど同じです。しかし、姪が突然訪ねてきたことで、彼が語らずにいた過去の輪郭が少しだけ見えてきます。
ここが見どころ
反復の描写
同じ朝、同じ順路、同じ手つき。繰り返しを退屈にせず、少しずつ違うものとして見せる編集が見事です。
木漏れ日
平山が昼休みにフィルムカメラで撮る木の葉。同じものは二度とないという主題が、この趣味に置かれています。
役所広司の顔
台詞は非常に少なく、表情だけで人物が伝わります。カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞しています。
この映画について:トイレを掃除して、木漏れ日を撮って、寝る。
事件はほとんど起きません。それでも124分持つのは、繰り返しの中の微差を丁寧に拾っているからです。同じ道でも、天気も出会う人も違う。
平山の過去は最後まで説明されません。妹との短い場面から推測できるだけです。この省略が、この作品を説教くさくしていません。
難点は、清掃の仕事を美しく描きすぎているという批判があることです。実際の労働条件との乖離は指摘されるべきだと思います。それでも、ラストの表情だけで十分に価値がある作品です。
この作品の良さ
- 反復の中の微差を拾う編集
- 過去を説明しない省略
- 役所広司の表情だけの芝居
当サイトの評価
トイレを掃除して、木漏れ日を撮って、寝る。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.5 |
| 映像美 | 4.9 |
| 音楽 | 4.7 |
| 演技 | 5.0 |
| 余韻 | 5.0 |
世間ではどう評価されているか
- カンヌ
- 男優賞 役所広司・2023年
- 米アカデミー賞
- ノミネート 国際長編映画賞
- IMDb
- 7.9 /10
2023年のカンヌ国際映画祭で役所広司が男優賞を受賞し、アカデミー賞では日本代表として国際長編映画賞にノミネートされました。渋谷区の公衆トイレ改修プロジェクトから生まれた企画という珍しい経緯を持ちます。
こんな人におすすめ
- 何も起きない映画が好きな人
- 日常の反復を描いた作品に興味がある人
- 役所広司の芝居を観たい人
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