INTO THE
SPIDER-VERSE
洋画2018年アニメ2010年代アクション

スパイダーマン:スパイダーバース

シリーズものだから、と敬遠されがちですが、予備知識はほぼ要りません。むしろ「アニメーションで何ができるか」を確かめる映画として勧めています。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
製作・脚本
フィル・ロード、クリストファー・ミラー
製作国
アメリカ
上映時間
117分
日本公開
2019年3月

あらすじ(ネタバレなし)

ニューヨークで暮らす中学生マイルス・モラレスは、進学した名門校になじめず、警官の父ともうまくいっていません。ある夜、地下で不思議な蜘蛛に噛まれます。

同じころ、街の地下で行われた実験によって別の次元の扉が開き、それぞれの世界のスパイダーマンたちが集まってきてしまいます。マイルスは、彼らを元の世界に帰し、自分もヒーローになれるのかを問われることになります。

ここが見どころ

コミックの質感を動かす

網点、色ズレ、擬音の文字、コマ割り。紙の印刷物の特徴をそのままアニメーションの文法にした作品で、公開当時これを見た人はまず面食らいました。

キャラごとに描き方を変える

登場するスパイダーマンごとに線の太さ、フレームレート、色数まで変えてあります。同じ画面にいながら、出身の世界が違うことが視覚だけで分かる。

落下と信頼の場面

終盤、マイルスがビルから落ちていくカット。ここで初めてカメラが反転し、落下が飛翔に見える。技術がそのまま感情に変わる数秒です。

この映画について:アニメーションの見た目を、10年ぶんくらい前に進めた。

映像の話が先に立ちますが、脚本も堅実です。「誰でもマスクをかぶれる」という主題を、複数のスパイダーマンを出すという設定そのもので証明している。設定が飾りになっていません。

テンポは非常に速く、情報量も多い。ただ、初見で拾いきれない細部が多いこと自体が魅力になっていて、繰り返し観ることが前提のような作りです。

難点は、その情報量の多さが疲れることです。画面が常に賑やかで、静かな時間が少ない。また前提となるヒーローものの型を知らないと、いくつかの笑いは通り過ぎます。

この作品の良さ

  • 印刷物の質感を動かすという映像表現の発明
  • キャラクターごとに描画のルールを変える設計
  • 主題と設定が一致している脚本

当サイトの評価

4.5/5.0

アニメーションの見た目を、10年ぶんくらい前に進めた。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.5
映像美5.0
音楽4.7
演技4.3
余韻4.2

世間ではどう評価されているか

米アカデミー賞
受賞 長編アニメ映画賞
IMDb
8.4 /10
影響
以降のアニメ表現に波及

第91回アカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞。ディズニー/ピクサー以外の作品がこの部門を獲るのは久しぶりのことでした。

この作品以降、フレームレートを落とす、手描きの線を残すといった手法が他社の3DCGアニメにも広がりました。技術的な影響がはっきり追える一本です。

こんな人におすすめ

  • アニメーションの表現に興味がある人
  • ヒーローものは苦手だが映像は観たい人
  • 何度も見返す前提で1本選びたい人

配信を探す

各サービスで「スパイダーマン:スパイダーバース」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。