悪の教典
面白いかどうかで言えば面白い。ただ、勧めるかどうかは別の話になる映画です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- 三池崇史
- 原作
- 貴志祐介『悪の教典』
- 出演
- 伊藤英明、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都、山田孝之
- 製作国
- 日本
- 公開
- 2012年
- レイティング
- R15+
あらすじ(ネタバレなし)
私立高校の英語教師・蓮実聖司は、生徒からも保護者からも信頼される人気教師です。明るく、話がうまく、生徒の悩みにも親身に応じます。
しかし彼には、他人に共感するという機能が生まれつき欠けていました。自分の障害になる者は、教師であれ生徒であれ、静かに排除してきたのです。
校内のカンニング問題、同僚の不正、生徒の不審。事態が絡まり、自分の立場が崩れかけたとき、蓮実は最も合理的だと判断した手段を選びます。
ここが見どころ
伊藤英明の造形
爽やかな好人物として登場し、その表情を最後まで崩しません。笑顔のままで恐ろしいことをするという一貫性が、この映画の不気味さの源です。
前半の学校描写
後半の展開を知っていると、前半のすべてが違って見えます。生徒との会話も、同僚への気配りも、目的のための手続きにすぎない。
三池崇史の容赦のなさ
描写に加減がありません。撮ってはいけないとされる線を、平然と越えてくる監督で、本作はその特徴が最も強く出た作品の一つです。
この映画について:生徒に人気の英語教師は、良心を持っていなかった。
後半の展開について具体的には書きませんが、日本映画でここまでやった例はほとんどありません。その一点だけでも、映画史的には言及される作品だと思います。
興味深いのは、蓮実に動機らしい動機がないことです。復讐でも思想でもなく、ただ邪魔だから排除する。説明できてしまう悪より、説明できない悪のほうが怖いという原則に忠実です。
一方で、原作にあった内面描写はかなり削られています。そのため映画版の蓮実は、より記号的な存在になっている。ここを物足りないと感じる原作既読者は多いはずです。
R15+指定ですが、実質的にはそれ以上の負荷があります。気軽に勧められる作品ではないことは、はっきり書いておきます。体調の悪いときに観るものではありません。
この作品の良さ
- 伊藤英明の、笑顔を崩さない造形
- 後半を知ってから見返すと反転する前半
- 動機を説明しない悪の描き方
- 日本映画として異例の踏み込み
当サイトの評価
生徒に人気の英語教師は、良心を持っていなかった。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.6 |
| 映像美 | 4.0 |
| 音楽 | 3.9 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 3.6 |
世間ではどう評価されているか
- 原作
- 貴志祐介 の小説
- 監督
- 三池崇史
- レイティング
- R15+
貴志祐介の小説を原作に、三池崇史が監督した作品です。R15+指定。
暴力描写の強さから、公開当時も評価が大きく分かれました。作品としての完成度を評価する声と、描写そのものへの批判が並存しています。
こんな人におすすめ
- 強い暴力描写に耐性がある人(必須条件です)
- 後味の悪い作品を求めている人
- 三池崇史の作風を知っている人
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