象は静かに座っているAN ELEPHANT SITTING STILL
洋画2018年ドラマ2010年代中国

象は静かに座っている

覚悟が要ります。4時間近くあり、救いはほとんどありません。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
フー・ボー(胡波)
出演
彭昱暢、章宇、王玉雯、李従喜
製作国
中国
上映時間
234分
公開
2019年(日本)

あらすじ(ネタバレなし)

中国北部の、冬の地方都市。四人の人物の一日が並行して描かれます。

友人をかばって同級生を階段から突き落としてしまった高校生。教師と関係を持ったことが噂になった女子生徒。息子夫婦から施設行きを迫られる老人。友人の妻と寝ていた男。

彼らは口々に、満洲里の動物園にいるという象の話をします。一日中ただ座っているだけの象を、一目見に行こうとします。

ここが見どころ

長回しと浅い被写界深度

人物の背後がぼやけ、カメラは後ろから付いていきます。周囲が見えないという主観が、映像の設計そのものになっています。

会話の応酬

誰も他人の話を聞きません。四つの物語のすべてで、対話が成立しない。

最後のバス

夜、車が停まった場所で聞こえる音。この映画で唯一の救いらしきものが、そこにあります。

この映画について:234分。中国北部の一日を、四人の視点で。

監督のフー・ボーは、本作の完成後、29歳で亡くなっています。編集をめぐる製作側との対立が報じられており、この上映時間は監督の意図した版です。

作品を作家の死と結びつけて語ることには慎重であるべきですが、この映画が抱えている出口のなさは、それを抜きにしても圧倒的です。

難点は明白です。234分は長く、テンポは極端に遅く、明るい場面がほとんどありません。

この作品の良さ

  • 長回しによる主観の設計
  • 対話が成立しない世界の描写
  • 最後の場面

当サイトの評価

4.1/5.0

234分。中国北部の一日を、四人の視点で。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.1
映像美4.6
音楽4.0
演技4.3
余韻4.7

世間ではどう評価されているか

ベルリン
国際批評家連盟賞 2018年
上映時間
234分
IMDb
7.5 /10

2018年のベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞しました。

監督のフー・ボーは本作の完成後、1988年生まれで29歳という若さで亡くなっており、これが唯一の長編作品となりました。

こんな人におすすめ

  • 長尺に耐えられる人
  • 中国の若手作家に関心がある人
  • 救いのない作品でも平気な人

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